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2023-08-18

記録から見た新日本プロレス「G1 CLIMAX」最多開催会場は両国国技館で76大会。2位の大阪府立体育会館を1差で追い上げているのは?【週刊プロレス】

第33回覇者の内藤哲也と第1回ほか5度の優勝経験のある蝶野正洋

33回目を迎えた今年の「G1 CLIMAX」は、内藤哲也6年ぶり3度目の優勝で幕を閉じた。過去には西武ドームや日本武道館で優勝決定戦がおこなわれたこともあったが、やはりG1は両国国技館がよく似合うとの印象。座布団が舞った第1回のシーンで伝説は幕を開けた形だが、もともと新日本プロレスは蔵前時代から国技館で数々の名勝負が繰り広げられてきたこともその背景にある。今回は過去の記録から、G1で開催された会場をクローズアップしてみる。

「G1 CLIMAX」の1ページ目が刻まれたのは両国国技館ではなく、意外にも愛知県体育館(1991年8月7日)。大会名は「サマーナイトフィーバー in 名古屋」で、G1はリーグ戦の名称にすぎなかった。ちなみに第1試合は、後藤達俊&保永昇男組vsキム・ドク&栗栖正伸組で、ほかに青柳政司vs松永光弘など前座5試合の後、公式戦が組まれている。

その後、第3回(1993年)からは7連戦、5連戦、5連戦、5連戦、3連戦、3連戦と、第8回(1998年)までは両国のみでの開催。そして第9回(1999年)に初めて両国以外で連戦がおこなわれた。会場は大阪府立体育会館。それも開幕2連戦だったことから、大阪でG1会見を開くほどの力の入れようだった。

同年からは毎年、大阪で開催されるようになり、第10回(2000年)では広島サンプラザが加わった。第11回(2001年)では名古屋(愛知県体育館)で8年ぶりに開催されるともに、東北(仙台市体育館)に初進出。本格的に全国を回るようになったのは、第12回(2002年)からだ。

同年は大阪に加え、四国(高松市総合体育館)、九州(福岡国際センター)、中国(広島グリーンアリーナ)と西に足を延ばしたが、第13回(2003年)は東海(愛知県体育館、静岡グランシップ)、東北(宮城県スポーツセンター)。大阪府立体育会館がサーカス開催のため同時期に使用できなかったので神戸(ワールド記念ホール)で開幕戦をおこなっている。

その後、第14回(2004年)では湘南(相模原市総合体育館)、北陸(石川県産業展示館4号館)に初進出し、第15回(2005年)からは横浜(文化体育館)が定着。取り壊される2019年(第29回)まで15年連続で開催され、2020年(第30回)からは横浜武道館に場所を移して受け継がれている。

東京・後楽園ホールで初開催されたのは第18回(2008年)。G1人気が定着して確実に収益を上げられることから開催に踏み切ったわけだが、それまで地方でも大会場中心に開催してきたとあって批判的な意見もあった。それでも、通常の後楽園ホール大会とは異なるのG1独特の雰囲気に包まれるとあって、最近では連戦で開催されることも多い。

第16回(2006年)で信越(新潟市体育館)に初進出。初の札幌上陸(きたえーる)を果たした第24回(2014年)には弘前(青森県武道館)、山形(市総合スポーツセンター)、秋田(県体育館)、仙台(サンプラザ)と、初の地方サーキットを敢行。

札幌で開幕した第26回(2016年)には信州初上陸(長野ビッグハット)。そしてそのまま鹿児島(鹿児島アリーナ)まで足を延ばし、全国縦断を果たした。

第28回(2018年)は日本武道館3連戦でフィナーレを迎え、第29回(2019年)では米国で初開催(テキサス州ダラス、アメリカン・エアライン・センター)。昨年の第32回では長野ホワイトリングで、第33回の今年は船橋市総合体育館で初開催され、これまで45会場、307大会で激闘が繰り広げられてきた。

最多開催はもちろん両国国技館で、ダントツの76大会。2位が大阪府立体育会館で36大会。それを1大会差で後楽園ホールが追っている。

4位は愛知県体育館の22大会。横浜文化体育館(15大会)、日本武道館(12大会)、札幌きたえーる(11大会)と続き、ここまでが2ケタ開催を記録。以下、広島サンプラザが8大会で、7大会ではアクトシティ浜松、大田区総合体育館、高松市総合体育館が並び、福岡国際センターの6大会、神戸ワールド記念ホール、浜松アリーナ、山形市総合スポーツセンター、アオーレ長岡が4大会となっている。

いまだにG1が開催されていない都道府県は、栃木、茨城、群馬、富山、福井、山梨、三重、奈良、和歌山、鳥取、島根、山口、徳島、佐賀、長崎、熊本、宮崎、沖縄の18県。これもまた、平成から令和にかけての興行戦略を物語っている。

橋爪哲也

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