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2023-09-12

【相撲編集部が選ぶ秋場所3日目の一番】北勝富士が霧島にも土をつけ3大関総ナメ。優勝争いは一気に混戦に

霧島も寄り切って3大関を総ナメとなった北勝富士。動きのよさが光る。先場所あと少しで逃したVへ突き進めるか

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北勝富士(寄り切り)霧島

3人目もやっつけた。初日に貴景勝、2日目に豊昇龍と大関を連破して波に乗る北勝富士が、東正大関の霧島も倒して3大関を総ナメだ。
 
ともに2日目までは連勝で来ていたこの2人の対戦は、霧島の3勝1敗という対戦成績だが、この一年は対戦がなく、あまり過去は大きな参考にはならない状況。2人とも頭を下げておっつけながらじりじり相手に圧力をかけるという相撲なので、どちらが圧力勝ちして相手の頭を上げることに成功するか、というところがポイントだ。もちろんどちらにも横の動きもあるので、そこを警戒しながら攻めなくてはいけない。
 
立ち合いは互角。予想どおり相手の頭を上げようというおっつけと突き放しの攻防となった。互いに、引き、イナシも交える動きの中、先に攻勢を取ったのは霧島。イナシで崩すと西土俵から向正面に追い込んだ。しかしここを残すのが今場所の北勝富士の動きのよさ。サッと向き直ると突きを繰り出し、右上手、左ハズで食いついた。上手を引きつけられて上体が起きたのは霧島。何とか左下手から起こそうとしたが果たせず、そのまま北勝富士が西土俵に寄り切った。

「早く横に攻めればよかった。最後、半身になって取られてしまった」と、土をつけられた霧島。悪い内容の相撲ではないので、あす以降への心配はそうあるまいが、3連勝と2勝1敗では、気持ちの上の余裕はちょっと違ってくるかもしれない。
 
その霧島に「乗っていると思いました」と言わせた北勝富士は、「作戦は、細かく攻める。土俵際で逆転を食らったこともあるので」という丁寧な攻めが功を奏した。3大関連破には「たまたまハマったり、相手のミスが重なっての白星」と言い、「しぶとくやっていかなきゃいけない」と、今後に向けても気を引き締める。家で子どもの世話をしたりすることで、オンとオフの切り替えがしっかりできているのが、いい土俵につながっているのだという。
 
もちろん、3大関を倒したとはいっても、まだまだ強敵は多く残っているので、このあとどこまで白星街道を走っていけるかは分からないが、自ら「本割と違う緊張感の優勝決定戦で取れたことは財産。それは糧になっている」と語っているとおり、一度優勝決定戦まで進出する争いを経験していることは、経験値としてこれまでの北勝富士とは一段違うところであるはず。そこを生かして、先場所あとわずかで逃した夢へ近づいていきたいところだ。
 
3日目を終わって、三役の全勝はいなくなり、北勝富士のほか阿武咲、金峰山、御嶽海、佐田の海、熱海富士の平幕6人が3連勝という状況になった。
 
きのうが終わった段階で「混戦か、あるいは霧島が抜け出すか」という形だった優勝争いの針は、完全に「混戦」のほうに振れた。新大関の豊昇龍もこの日は翔猿に送り出されて2敗目。平幕勢が三役陣より星勘定で前に立ったことで、優勝争いの行方はまったく分からなくなった。
 
すでに優勝の経験を持つ大関陣か(さらにはV経験のある朝乃山、御嶽海の「元大関」も好調)、過去の優勝争いの経験を今度は生かしたい北勝富士や阿武咲といった平幕勢か、あるいは琴ノ若らの若い力が一気に突き抜け初優勝へ突き進むか。現段階ではさまざまな方向への可能性が考えられる。果たして誰が勝ち残っていくのか。またあすから熾烈なサバイバル戦になる。

文=藤本泰祐

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