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2023-09-13

【相撲編集部が選ぶ秋場所4日目の一番】貴景勝が3連勝でカド番脱出へ前進。気づけば大関陣の先頭走者に

強烈な当たりから、朝乃山を叩き落として3勝目を挙げた貴景勝。あす組まれた苦手の阿炎戦が大きなヤマだ

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貴景勝(叩き込み)朝乃山

「当たって上体が起きてしまった。防戦一方でしたね。きょうの相撲は全然ダメです」

朝乃山が大関だった2年前の春場所以来、久びさの対戦で、そう言わせた。それだけ、その圧力は強烈だった。
 
貴景勝が朝乃山を攻め込み、余裕を持っての叩き込みで降した。
 
立ち合いから、右からの突きを主体に圧力をかけ、先手を取った。こらえた朝乃山に一瞬右を差される形になったが、左おっつけで相手の上体を起こし、右に回って叩き落とした。

「きょうは集中していた。いつも通り」と貴景勝。これで2日目から3連勝とし、カド番脱出へもまた一歩前進した。初日こそ北勝富士に叩き込まれたが、その初日も立ち合いの当たり自体は悪くなく、2日目以降も立ち合いから貴景勝らしい圧力が出てきている。少なくとも、カド番に追い込まれる原因となったヒザの故障は、外からはほぼ感じられない。

「(休場明けも)別に初日からやりにくさは感じなかったが、自分の思っていることでない潜在的な部分もあるかもしれないし。まあ、白星、黒星の結果で判断するのはよくない。初日も良かったところもあるし、きょうも悪かったところもある。自分のバランス的なものが、いい感覚でやれるようにやっていきたい」と、大関は星勘定に一喜一憂せず、一番一番、自分の感覚に集中していくことを強調する。
 
この日は新大関の豊昇龍が正代を攻め込みながら、すくい投げで逆転されて3敗目、さらに霧島も阿炎に引き落とされて2敗目を喫し、気がつけば貴景勝が大関陣ではトップの成績となった。さらにはきのうまで大関陣を総ナメして3連勝していた北勝富士もこの日は大栄翔に一方的に押し出されてストップ。横綱照ノ富士が休場している今場所、こうなると状況的には、貴景勝に大関として優勝争いを引っ張っていく責任が期待されることになってくるが……。

「日々、毎日集中力を出し切れば、それが責任(を果たすこと)にもつながってくる」と大関。まだまだ、まずはカド番脱出、優勝争いはそれからの話ではあるが、横綱照ノ富士が初日から休場し、一人大関としての責任がかかった今年の初場所に優勝を果たしたのは記憶に新しい。あの場所と同じように、目の前の一番一番を集中して戦っていければ、大きな結果も一歩ずつ近づいてくることになる。まずは苦手としている阿炎とのあすの取組を乗り切れるかどうかが注目だ。
 
4日目を終わり、全勝はこの日も一方的な相撲で勝った阿武咲と金峰山、返り入幕の熱海富士の平幕3人になった。阿武咲は初場所に優勝争いを経験した実力者、ここ数場所影を潜めていた突っ張りが復活した金峰山も大爆発の可能性は十分ある。この辺りと、三役で星を伸ばしてきた貴景勝、琴ノ若らの優勝争いになっていくのか。そこに序盤に上位を倒した北勝富士、阿炎が前半戦を圧倒的な星勘定で乗り切れれば絡んでくる、という感じか。ちょっとリズムを崩している霧島、豊昇龍の両大関がどの時点で立て直してくるのかもカギを握る。
 
きのうよりは少しメンバーが絞られてきたが、まだまだ優勝争いは霧の中。圧倒的な力を持つ存在は見当たらないだけに、この先ひと波乱もふた波乱もありそうだ。

文=藤本泰祐

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