【天龍プロジェクト】“みんなの寿司”は「龍魂杯」で何を見せるか。ＳＵＳＨＩ「まだまだバトル指数を上げられる」【週刊プロレス】

レイパロマと並び天龍プロジェクトを見続けるファンの間で愛される存在のSUSHI。最近はタイトル挑戦や“番狂わせ”と思われる勝利を何度もあげており、人はその姿を「バトルSUSHI」と呼んでいる。「第３回龍魂杯」（11・６新木場で開幕、決勝は11・19後楽園）は、プロレスラー・SUSHIのイメージをさらに変える場となり得るか――。
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――「龍魂杯」３年連続出場、おめでとうございます。

SUSHI 　あっ！　ありがとうございます。トーナメント表を見ても、３年連続で出ている人って半分ぐらいなんですよね。入れ替わりが激しいので、今年が最後にならないよう頑張ります。

――このところ、タイトル戦線にも食い込む活躍を見せているが？

SUSHI  おっしゃる通りここ最近はチャンスをいただいているんですけど、全然それをモノにできていない。結果がともなっていないのは悔しいですよ。

――毎回のように「今までで一番悔しい」とコメントしていますが、負けるたびにそれまでの悔しさの度合いが上書きされていっているんですか。

SUSHI  そうですね。毎回が史上最大の悔しさ。これはSUSHIになって以来ずっとです。それはタイトルを取ったら解消されるものではないんでしょうね。なぜなら（王座から）落ちた時にその喜びまでが悔しさで上書きされてしまうから、これは終わることがないんだと思います。

――それでも調子が上向きになっているという実感はつかめているのでは？

SUSHI  そう…ですね。１年前の自分と比べたら変わったかなとは思います。ファイトスタイル自体が変わったなと。技は変わらないですけど、気持ちが変わりました。天龍プロジェクトに出るようになって、ここでいい結果を残したいと思うようになったのが去年で。１年目は出たり出なかったりもあったので、２年目に入ってからいろんな人の闘いを見ているうちに自分もここで結果を残したい、あの場に入りたいと…ええ。特に佐藤（光留）選手が全日本でずっと一緒にやってきて、僕の方が勝率がいいんです。

――光留選手も言っていました。

SUSHI  それがここでは、雲泥の差になっちゃったんで。タイトルマッチという舞台に上がって活躍したいという欲が出ちゃいましたよね。

――それが最近の調子につながっていると。

SUSHI  やる気だけはあるんです。

――最近は「バトルSUSHI」「キラーSUSHI」などと呼ばれています。

SUSHI  いや、まだまだですよ。この前も諏訪魔さんとやって（10・17新木場、UNタッグ戦）まったく歯が立たなかったんで。自分ではここからまだバトル指数を上げられるとは思っているんですけど。

――諏訪魔＆田村男児組には、タイトルに挑戦するなら頭の上の寿司を外せとか、マスクを取れと言われていましたが、どちらも応じることなく挑戦しました。マスクはともかく、頭の上の寿司は取りたくなかったんですね。

SUSHI　そこで変えちゃうと…今まで10年、SUSHIなんで。頭の寿司はまだアレですけど、素顔っていうのは違うよなって。素顔で諏訪魔さんとやってみたいという思いもあることはあるんですけど…。それはまた、おいおいあるかもしれないですし。少なくとも天龍プロジェクトのリングでは、このままいこうと。

――６月10日に開催されたUNタッグ初代王座決定トーナメントで一度、頭の上のお皿を外しましたよね。

SUSHI 　……出た時にお客さんもポカンとしていましたよね(しょんぼり)。あ、これ取っちゃダメなんだなって学びました。あれはやる気を表そうと思ったんです。でも、外さないでやる気を伝えないとダメなんだなって。

――でも、あれがバトルSUSHIとしてのマスクなのであれば、また使う時はあるのでは。「龍魂杯」決勝とか。　

SUSHI  決勝までいってやればお客さんも「おーっ！」となってくれるかもしれませんね。あれはいきなりやったから伝わらなかったんでしょう。

――１回戦の相手・羆嵐選手からは10・７川崎でシングルマッチが組まれ勝利をあげています。

SUSHI  まあなんとか。圧倒されていたんで、ずっと。最後の最後に逆転できたんで。次、勝てば本物だし。負けたらマグレと思われちゃうんで。今ならいけるという手応えはつかんでいます。

――天龍プロジェクトのファンの皆さんは一日３回もSUSHI選手の試合が見られることを期待していると思われます。

SUSHI  はぁ…(溜息)。頑張ります。コンディションをバッチリにして。

――長期戦はあまり得意ではない？

SUSHI  はい。

――そこは「はい」と言っちゃうんですね。

SUSHI  まあ。僕、後楽園のメインをシングルでやったことってないんです。セミまででしたから。夢ですよね。（佐藤）耕平さんとできたら最高ですね。耕平さんか(田村）男児にやり返したいですね（UNタッグ戦で直接ピンフォールを奪われた）。

――先日のUNタッグに挑戦する時も、その初代王者を決めるトーナメントも耕平選手とのコンビを望みましたよね。

SUSHI  天龍プロジェクトへ出る前までは接点がなかったんですけど、試合をずっと見ていて、この人すごいなと思って。自分が一回対戦した時に、思っていたよりもすごくて奥深さを感じたんです。この人と一緒にやったら、自分もまた成長できると思って組みたいと思いました。頼れるパートナーですけど、頼りっきりになったら自分が成長できないんで。自分がお願いしたにもかかわらず不甲斐ない結果が続いているんで、ここで闘えたらまた変われると思います。
――二人とも枯れ声。会話は成立しているんですか？

SUSHI  最初は、耕平さんの方も何を言っているのかわかっていなかったと思います。喋った時、耕平さんイライラしていましたから。「えっ？　えっ!?」って言われました。そのあとの耕平さんの声がこっちも聞こえなくて。でも最近、お互い「えっ？」がなくなりました。耕平さんと河野さん喋っているのを見ていると僕はまったく聞き取れないですけど、河野さんは談笑しているんですよ。それで河野さんに聞いたら、そのうち慣れるって。本当に聞き取れるようになりましたね。

――決勝で対戦したあと、リング上でお二人の会話を見てみたくなりました。

SUSHI  UNタッグ決定トーナメントのバックステージコメントの時、僕と耕平さんで喋ったら目の前の記者さんたちがポカーンとしているんですよ。

――それでもタッグとしてうまくいっているところに、プロレスは言葉じゃないということが証明されています。SUSHI選手が龍魂杯で優勝を果たせば、一日にして評価を変えられるでしょう。

SUSHI  そうですよね。でも、まずは２年連続１回戦負けなのでそこを払しょくしたいです。（聞き手・鈴木健.txt）