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2023-12-13

【箱根駅伝の一番星】青学大の「新・駅伝男」黒田朝日は箱根で黒田家長男の意地を見せる

全日本の2区では区間2位で6人を抜いた黒田(写真/中野英聡)

陸マガの箱根駅伝2024カウントダウン企画「箱根駅伝の一番星」では、出場23校の注目選手を紹介。大学駅伝デビュー戦となった出雲駅伝で2区区間賞、続く全日本大学駅伝では2区で区間新の区間2位と、青学大の「新・駅伝男」に名乗りを上げた黒田朝日(2年)。陸上一家の長男は、淡々としているが、内に秘めた闘志も持っている。

佐藤君には負けたくない

「黒田朝日には、期待してます。淡々と練習する姿勢がいいです。上りに強いですから、2区、5区のどちらを走っても区間賞候補でしょう」

そう話すのは青山学院大学の原晋監督だ。

前回は直前の故障で箱根駅伝を走ることができなかったが、今回は準備万端でエース区間に挑むことになりそうだ。ただし、山上りには気が向かないようで……。

「5区はあまり走りたくないです(笑)。合宿の上り坂でのタイムトライアルで、たまたまいい記録が出たというだけですから……」

何ごとも控えめかと思いきや、同学年の駒大の佐藤圭汰に対しては対抗意識を燃やしている。

「もしも、箱根駅伝で佐藤君と並んで走ることになれば、ついていく感じですね。箱根駅伝でそうした状況になったら、勝つか負けるかという勝負をしたいです」

全日本大学駅伝の2区では佐藤が区間賞、黒田が8秒差の区間2位。距離が延びる箱根となれば、黒田にも勝算があるということだろう。


出雲駅伝でも佐藤と同じ2区を走り、同タイムの区間賞。淡々としているようで、佐藤に対抗意識を燃やす(写真/福地和男)


陸上は練習時間が短くて合っていた

黒田は中学時代まではバスケットボール部に所属していたが、玉野光南高(岡山)に入学してから陸上部に入った。

「父が高校から陸上を始めたので、僕自身も高校からでいいかなと思ってました。バスケ部に比べて、練習時間が短いのが最高でした(笑)。メリハリがきいていて、自分の性格には合っていたようです」

黒田のお父さんの将由さんは、法政大のOBで箱根駅伝の出場経験がある。2001年の箱根駅伝では1区を走り、区間3位と好走している。

また、弟の然(玉野光南高3年)は、今年のインターハイで3000mSCで2位に入っており、来春には兄を追って青学大へ進学予定。さらに、妹の六花(京山中3年・岡山)は、今年の全日中1500mで優勝と、まさに陸上一家だ。一緒に走ったりすることがあるのかと質問すると、

「きょうだいでジョグに行くようなことはまったくありません(笑)。でも、弟も妹も頑張っているので、長男としての意地は見せたいと思います」と穏やかに答える。

出雲駅伝、全日本での好走は箱根への序章。「新・駅伝男」としての活躍が期待される。



左から朝日、然、六花。3人とも全国大会で活躍中だ。14歳差で5歳の妹もいる

PROFILE
くろだ・あさひ◎2004年3月10日、岡山県生まれ。桑田中→玉野光南高(共に岡山)。青学大1年時から3000mSCで活躍し、U20世界選手権で12位、今季はU20アジア選手権の3000mSCで金メダルを獲得。2年時の今季、三大駅伝に初出場し、出雲2区1位、全日本2区2位(区間新)。自己ベストは5000m13分36秒55、10000m28分15秒82(大2)、ハーフ1時間03分02秒(大1)。

文/生島 淳 写真/中野英聡、上野弘明、福地和男

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