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2024-03-11

【相撲編集部が選ぶ春場所2日日の一番】琴ノ若に土、霧島は連敗。横綱・大関陣は連勝なく、混戦模様に拍車

新大関の琴ノ若は、朝乃山の攻めをさばききれず土。2日目にして横綱・大関陣の連勝力士はなくなり、優勝争いは大混戦の様相に

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朝乃山(押し出し)琴ノ若

きのう、新大関の初日を落ち着いて白星でスタートした琴ノ若だが、この日は落ち着きすぎたのか……。完全に受け太刀の相撲で、精彩なく敗れた。
 
2日目の相手は元大関の朝乃山。場所前には佐渡ケ嶽部屋にも出稽古に来ており、何番か胸を合わせていただけに、楽な相手ではないというのは肌で感じていたはずだが、それにしてはこの日の立ち合いは威力がなさ過ぎた。
 
形としてはいつものようにモロ差し狙いで胸から当たった琴ノ若だが、低い角度で一歩踏み込んだ朝乃山に対し、角度も浅く、足も仕切り線より出ることはなかった。

そのあと左から突き落とし気味にイナして、一瞬、朝乃山を横向きにしかけたところは琴ノ若らしかったが、「大関は器用な相撲を取りますので、自分から攻めるように心がけて相撲を取りました」という朝乃山は、素早く足を送って向き直り、前へ圧力を掛け続ける。苦しくなった琴ノ若は、今度は右へ回って突き落としを見せるが、朝乃山に完全に下に入られ、そのまま押し出された。

「内容が悪い。それ以上ないです。(勝ったことがない相手だったが)関係ないです。切り替えてやります」と琴ノ若。2日目にして土はついたが、まだ焦る状況ではなく、この日の内容を反省し、「立ち合いにまずは一度圧力をかける」ということを思い出せば、力はあるので、また勝ち星を重ねていけるだろう。
 
一方の朝乃山にとっては、今、最も勢いがある若い新大関を攻め切った白星は大きい。このところ故障での休場が続き、三役に復帰するのに思いのほか時間がかかっている元大関だが、今月1日に30歳となったこともあって、自らの体との向き合い方にも考えるところはあるようだ。年下の力士がどんどん出てきている状況を考えると、大関復帰へはここからの1、2年が勝負。まだまだ若い力士に負けてはいられない。
 
この日は、琴ノ若に土がついたほか、きのう白星発進の貴景勝が阿炎の上手投げに敗れ、早くも横綱・大関陣で2日間連勝の力士はいなくなった。さらには霧島が熱海富士に肩透かしにいったところを体を寄せられ連敗。一方、豊昇龍は苦手の錦木を降し、照ノ富士はうるさい宇良を退けて連敗を阻止して星を五分とした。横綱・大関5人のうち、4人が1勝1敗、そして場所前の状態が最もよいとみられた霧島が追う形になったことで、混戦模様にはより拍車がかかった形。星が並んでしまえば、先場所も力の違いを見せた照ノ富士がやや有利か……、という見立てにはなるが、さてこの後、どう転んでいくか。
 
また、ここまでの2日間では、関脇以下の連勝力士10人の中に、若元春、阿炎、大の里、阿武咲、髙安、尊富士と、過去に優勝あるいは優勝争いをしたことのある実力者や、まだ実力的に底を見せていない若手力士がずらりと顔を並べているところも楽しみだ。内容的にもいいものを見せている力士が多く、爆発力を持つ顔ぶれだけに、この中からだれが優勝争いに参入してきても何の不思議もない。
 
今場所の幕内上位は力のある力士がそろっており、横綱・大関陣にとっても、順調に星を伸ばしていくことは楽ではないと思われる(すでにその傾向は確かなものになりつつあるが)。今後、横綱・大関陣の混戦が続いたうえ、もし関脇以下の好調力士が、横綱・大関に対して星1つと言わず、2つぐらいのリードを手にできるようなら、かなり面白い賜盃レースになってくるだろう。

文=藤本泰祐

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