王座奪回を果たした猪木を素直に称えるシン(1975年6月26日)
「週刊プロレス」40周年を記念し、70年以上に及ぶ日本プロレス史を彩ったチャンピオンたちの足跡と記録を一挙掲載した決定版書籍『日本プロレス歴代王者名鑑 ヘビー級シングル編①』(ベースボール・マガジン社)が好評発売中だ。アントニオ猪木を倒してNWF世界ヘビー級王者となったタイガー・ジェット・シンは1975年6月26日、蔵前国技館で3度目の防衛戦に臨んだ。サーベルを持って登場し、いつものように暴れるかと思いきや、レフェリーにサーベルを預ける。丸腰となったシンは、猪木とグラウンドの攻防を展開。ジャイアント馬場と共通のアメリカの師匠から教わった実力を、まさかの披露。場外戦も多少あったものの、猪木と技vs技の真っ向勝負を展開。1本目は猪木に押さえこまれたが、2本目を日本初公開となるアルゼンチン・バックブリーカーで猪木からギブアップを奪った!

3本目、技の攻防の末、猪木からバックドロップを浴びてフォール負け。NWF王座防衛は果たせなかった。しかし、これで終わりではなかった。試合後にも目を疑う光景が。猪木に手を差し出すと、ガッチリ握手をかわす。凶悪ファイターとして全盛期のシンがこのようなクリーンファイトを展開した試合はあとにも先にもこの試合だけであり、宿敵・猪木に対してのみ“もう一つの顔”を見せた異色の一戦としてシン史上に残るベストバウトの呼び声も高い。
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