close

2024-11-15

【しゅりんぷ池田のカード春秋】プロ野球90周年カード(第9回)V9巨人の思い出

SHARE

  • twitter
  • facebook
  • line
今回掲載しているカードは73年の日本シリーズ第5戦で巨人が南海を下して、日本シリーズを9年連続で制したあと、ペナントを手にした川上哲治監督らが場内を一周する場面です。川上監督の左にいるのは長嶋茂雄ですが、この年10月の試合中に打球を右手薬指に当て骨折したこともあり、このシリーズには出場せず、一塁コーチを務めていました。長嶋の右手には包帯が巻かれていますね。

No.112 巨人がV9を達成
No.112 巨人がV9を達成

このV9が始まったのが65年のこと。元号で言うと昭和40年ですが、実は筆者は昭和40年生まれなのです。生まれてから小学2年になる昭和48年までずっと巨人が連覇を続けていたのですから、すごいことですよ。そんなこともあって、わたしたち世代は今でも当時のV9メンバーをそらんじることができます。

(中)柴田 勲
(左)高田 繁
(一)王 貞治
(三)長嶋茂雄
(右)末次民夫
(遊)黒江透修
(二)土井正三
(捕)森 昌彦
(投)堀内恒夫

V9初期の65、66年は2位に13ゲーム差、67年は12ゲーム差と独走での優勝を遂げていましたが、ゲーム差は徐々に詰まり最後の73年は2位阪神と0.5ゲーム差でした。同年はシーズン最終戦の阪神戦に勝って優勝を決めるというきわどい展開で、また首位・巨人から最下位・広島までのゲーム差が6.5という大接戦のシーズンでもありました。これは、やはり65年からスタートしたドラフトの影響と思われます。自由競争時代には有力選手たちの多くが巨人に流れていたのですが、ドラフトによって12球団に均等に有力選手たちが分配され、戦力の均衡が図られることになったのでしょう。

V9は今後も超えられることのない不滅の金字塔であり続けるものと思われます。


当コラムは、これまで「週刊ベースボール」の「Curutural Review」のページに掲載されていたカードのコラムを転載していたのですが、2001年春から続いていたこの連載が先日の4月1日号をもって終了しました。今後、当コラム「カード春秋」(※)はBBMカードサイトのオリジナルコラムとして続けていこうと考えておりますので、よろしくお願い致します。

※「カード春秋」というタイトルは、わたしの出身校・香川県立高松高校(旧制・高松中)の大先輩にして、文藝春秋社の創設者である菊池寛先生へのオマージュなのです。

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事