5月18日に水口侑子さんと入籍した川内優輝選手。2人が出会ったのが、2008年のニューカレドニア・モービル国際マラソンです。今年、11年ぶりに2人揃って「天国に一番近い島」を訪れます。披露宴を前にインタビューに応じてくれた川内選手が、ニューカレドニア国際マラソンの魅力を4回に渡って語ってくれます。
構成/ランニングマガジン・クリール編集部 写真/AQUA、ニューカレドニア国際マラソン事務局
上の写真:2008年のニューカレドニア・モービル国際マラソンの様子。右端が川内選手、右から4人目が侑子さん 写真:AQUA
私がニューカレドニア・モービル国際マラソンを初めて走ったのは、2008年、今から11年前のことです。日本学生ハーフマラソン(立川ハーフ)で6位に入って、その副賞がニューカレドニアへの派遣でした。
本来は優勝者と2位の選手の副賞でしたが、上位の5人は、箱根駅伝の強豪校の選手だったので、夏合宿を優先したために、私が繰り上がって派遣されることになったのです。ちなみにもう1人は23位の選手でしたから、上位に入ったほとんどの選手が辞退したことになります。
私は旅行が好きで、高校生の時から日本全国のマラソン大会巡りをしたいと思っていました。当時は、日本人だから、海外には行かなくていいし、英語も勉強しなくていいと考えていました。しかし、その思いはニューカレドニアに行ったことによって変えざるを得なくなりました。
2008年といえば、東京マラソンが始まって2年目。日本国内のマラソン大会の多くは、市民マラソンと呼ばれているものであっても、競技会的な大会がほとんどでした。ところが、ニューカレドニア国際マラソンは、日本国内のマラソンとは全く異なる、明るく、楽しいものでした。
私自身が抱いていたマラソンの概念を変えたと言っていいでしょう。この大会がなければ、今の川内優輝はないと言えます。人生の伴侶となる方と出会ったというだけではありません。
この経験があったから各地のマラソン大会で副賞としての海外マラソンを狙うようになり、海外マラソンを経験することによって競技力を高めることができました。そして、ついには世界陸上の日本代表にまでなることができたのです。
今では、副賞でなく、多くの海外マラソンから招待を受けられるようになりました。
そして、ニューカレドニアに行かなかったら、結婚できていたかわかりません(笑)。立川ハーフで辞退してくれた上位入賞者に感謝します。
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