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2018-10-14

【System of Arthur Lydiard Vol.6】リディアード・トレーニング①有酸素能力発達の走り込み

多くの五輪メダリストを育てた伝説的なランニングコーチ、アーサー・リディアード。彼のトレーニング理論をリディアード・ファウンデーションの橋爪伸也氏にひも解く。※『ランニングマガジン・クリール』2017年5月号から2018年4月号まで掲載された連載を再構成しました。

上写真:リディアードのランナー達で「走り込み」で有名な写真。左からマクナイト(ニュージーランドの10マイル記録保持者)、ハルバーグ、スネル、マギー。 写真:リディアード・ファウンデーション

 これまでの連載では、リディアード・トレーニングの全体像や概要を説明してきました。これからの5回は、レース本番へとつながる5つのステップ(図参照)を深く解説しながら、具体的なプログラムも提示していきたいと思います。

42㎞前提でなくてもOK

 まず最初のステップは、有酸素能力を発達させるための「基礎作り」。リディアードが「マラソン・コンディションニング」と呼んでいた部分です。ただし、私たちリディアード・ファウンデーションではあえて、その呼称を用いません。というのも、「5㎞のレースのためのトレーニングをするのにも、マラソンを走る練習をしなけりゃいけないの!?」という質問が相次いだからです(笑)。

 そこで、ハッキリした目的を強調する意味から、ステップ1を「有酸素能力発達の走り込み」と呼んでいます。つまり、必ずしもマラソン用の練習をしなくてもいいし、リディアード自身が有名にした「週100マイル(160㎞)」を走る必要もなし。最も有効なやり方で「有酸素能力」を発達させられるのであれば、個人のレベルに応じて、週に250㎞走ろうが、50㎞だろうが問題はないのです。

 週に3~4回しか走れない忙しい方々にとっては、週に40~50㎞が限度かもしれません。それでも大丈夫です。もちろん、フォローすべきルールがいくつかありますが、数字にとらわれず、できる範囲で「走り込む」ことができればOKです。

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