アメリカンフットっボールの世界最高峰・NFLの2025年ドラフト第1日が、米国ウィスコンシン州グリーンベイで2025年4月24日午後(日本時間4月25日午前)に開催された。会場には延べで20万人を超すファンが集結し、にぎわった。第1日は1巡指名があり、2チームがトレードダウンしたため、30チームが32人の選手を指名した。1巡指名全32選手を紹介する。
◇1巡1位 テネシー・タイタンズ:キャム・ウォード(QB,マイアミ大)
予想通りにタイタンズはウォードを指名。身体能力、技量、経験がそろい踏みした今ドラフトのNo.1QB。FCSの大学から、2度の転校を経て、着実に成長を遂げてきた。ステージに登場した服装が、シンプルかつ地味なのが逆に凄味となっている。
◇1巡2位 ジャクソンビル・ジャガーズ:トラビス・ハンター(CB/WR,コロラド大)本来の1巡2位ブラウンズと、1巡5位だったジャガーズがトレードしてアップ。
昨年のハイズマントロフィーウィナーであり、CBとWRの「二刀流」。殿堂入り名CBであるネオン・ディオン・サンダース(コロラド大HC)の愛弟子でもある。本人はインタビューでジャガーズからの事前告知は一切なかったと語った。
◇1巡3位 ニューヨーク・ジャイアンツ:アブドゥル・カーター(EDGE,ペンシルバニア州立大)好エッジラッシャーが揃った今ドラフトの中でも文句なしのNo.1。先輩のマイカー・パーソンズ(カウボーイズ)に勝るとも劣らない逸材といってよい。
◇1巡4位 ニューイングランド・ペイトリオッツ:ウィル・キャンベル(OT,ルイジアナ州立大)カレッジ屈指のLT。体格、運動能力、キャラクターすべてに傑出。昨年1巡指名のQBドレーク・メイのブラインドサイドを守ることになる。
◇1巡5位 クリーブランド・ブラウンズ:メイソン・グラハム(DT,ミシガン大)筋力・体力と責任感の塊のような守備ライン。高校では、レスリング、OLとの「三刀流」だった。ランストッパーだがラッシュ能力もある。3テクニックでもプレーできる。
◇1巡6位 ラスベガス・レイダーズ:アシュトン・ジーンティー(RB,ボイジー州立大)昨年、ハイズマントロフィー2位のジェネレーショナルなRB。1シーズンで2600ヤードを走り、バリー・サンダースの記録に肉薄した。
◇1巡7位 ニューヨーク・ジェッツ:アーマンド・メンボウ(OT,ミズーリ大)ブルース・フェルドマンの「フリークスリスト」で体脂肪率が話題となったフィジカルモンスター。体重151キロで40ヤード4秒91
◇1巡8位 カロライナ・パンサーズ:ティテイロア・マクミラン(WR,アリゾナ大)今ドラフトのトップWRを指名。ブライスヤングの新たな武器。しかし、サプライズというよりは意外な人選。
◇1巡9位 ニューオリンズ・セインツ:ケルビン・バンクスJr(OT,テキサス大)セインツは今年で55年連続で1巡QB指名がない。直前にエースQBデレク・カーの右肩負傷情報が流れ、QB指名の予想もあったが、そうならず。バンクスは強豪大で実績を積んだ能力の高いOL。
◇1巡10位 シカゴ・ベアーズ:コルストン・ラブランド(TE)指名発表の前に、難病ALSと闘病の末に前日亡くなった、スティーブ・マクマイケルを追悼。指名は今ドラフトのTEトップ2の1人ラブランド。スーパーTEの器。
◇1巡11位 サンフランシスコ・49ers :マイケル・ウィリアムズ(EDGE,ジョージア大)ディフェンス王国ジョージアの出身。元高校5つ星で、フレームが大きい。能力はスタッツ以上に高い。
◇1巡12位 ダラス・カウボーイズ:タイラー・ブッカー(OG,アラバマ大)破壊的なランブロッカーで、パスプロテクション能力も高い。かっての名OLが引退していくダラスOL陣を支える新たな力になれるか。
◇1巡13位 マイアミ・ドルフィンズ:ケネス・グラント(DT,ミシガン大)ミシガン大から2人目のインサイドDL。圧倒的に強いフィジカルは、メイソン・グラハム以上とも言われる。
◇1巡14位 インディアナポリス・コルツ:タイラー・ウォーレン(TE,ペンシルバニア州立大)この順位まで、よくこの選手が残っていた。スーパーTEになれる素材。巨体とWRのキャッチ能力に加え、RBまでプレーしてしまう。
◇1巡15位 アトランタ・ファルコンズ:ジェイロン・ウォーカー(LB/EDGE,ジョージア大)ジョージア大ディフェンスのハート&ソウル。エッジラッシャーとLBのトゥイナーだが、エッジとしては少しサイズ不足か。
◇1巡16位 アリゾナ・カージナルズ:ウォルター・ノーレン(DT,ミシシッピ大)ランストップ能力が魅力だがパスラッシュ能力も高い。ミシシッピ大強力ランディフェンスの中心。
◇1巡17位 シンシナティ・ベンガルズ:シェマー・スチュワート(EDGE,テキサスA&M大)元5つ星評価のスターだが、カレッジでは伸び悩んだ面も。素材は一級品。
◇1巡18位 シアトル・シーホークス:グレイ・ゼイベル(OL,ノースダコタ州立大)下位FBSの王者から最強OLを指名。LTとしてプレーしたが、どこでもプレーできる。
◇1巡19位 タンパベイ・バッカニアーズ:エメカ・エグブカ(WR,オハイオ州立大)WRファクトリーのバッカイズの最新作で、極めて能力の高いWR。QBベイカー・メイフィールドを気持ちよくプレーさせるための指名。
◇1巡20位 デンバー・ブロンコス:ヤーダ・バロン(CB,テキサス大)RBではなく、CBを指名した。スピードがあり。ニッケル、FSもプレーできる。RBは層が厚いので2巡以降で指名か。
◇1巡21位 ピッツバーグ・スティーラーズ:デリック・ハーモン(DT:オレゴン大)噂されていたQBではなく、ディフェンスの柱であるキャム・ヘイワードの後継DLを指名した。カレッジでは遅咲きだが、能力は高い。
◇1巡22位 ロサンゼルス・チャージャーズ:オマリオン・ハンプトン(RB,ノースカロライナ大)時間切れギリギリで入札。通常の年なら文句なしにポジションNo.1評価のRBハンプトンを指名。真っ向勝負のオフェンスへ舵を切っている。
◇1巡23位 グリーンベイ・パッカーズ:マシュー・ゴールデン(WR,テキサス大)地元ファンが盛り上がっている。パッカーズは23年ぶりのWR1巡指名。コンバイン最速の4秒29をたたき出したスピードが武器。
◇1巡24位 ミネソタ・バイキングス:ドノバン・ジャクソン(OL,オハイオ州立大)運動能力の高いGだが、昨シーズンは、緊急措置でLTもプレーした。そしてチー?はそのまま全米王者になった。
◇1巡25位 ニューヨーク・ジャイアンツ:ジャクソン・ダート(QB,ミシシッピ大)ジャイアンツがテキサンズとトレードアップ。ミシシッピ大のガンマン、ダートを指名。パス能力に加え、ランもある。スティーラーズがQBを指名しなかったため、将来のエース枠として急きょトレードアップして獲得した。直前まで26位のラムズが指名するという情報があった。
◇1巡26位 アトランタ・ファルコンズ:ジェームズ・ピアースJr(EDGE,テネシー大)ファルコンズがラムズとトレードアップ。ディフェンスのサック数が少ないファルコンズが、またもエッジラッシャーを指名。ラムズは直前でQBジャクソン・ダートがいなくなったため、トレードダウンしたと思われる。
◇1巡27位 ボルティモア:レイブンズ:マラカイ・スタークス(S,ジョージア大)カービー・スマートが育成した「信頼と安心のブランド」ジョージア大ディフェンスからまたも指名。
◇1巡28位 デトロイト・ライオンズ:タイリーク・ウィリアムズ(DT,オハイオ州立大)体重150キロだが、5テクニックでもプレーできる。全米王者のディフェンスの柱として活躍した。
◇1巡29位 ワシントン・コマンダーズ:ジョシュ・コナリ―Jr.(OT,オレゴン大)コマンダーズは、若きエースQBジェイデン・ダニエルズのため、LTを指名。2024年のカレッジで快進撃したオレゴン大のブラインドサイドを守ってきた。
◇1巡30位 バッファロー・ビルズ:マックスウェル・ヘアストン(CB,ケンタッキー大)スピードスター。昨シーズンは5インターセプト。うちピック6を2本決めた。
◇1巡31位 フィラデルフィア・イーグルス:ジハード・キャンベル(LB,アラバマ大)イーグルスとチーフス、スーパーボウル出場チーム同士がトレード。32位のイーグルスは一つだけ順位を上げた。そして、ラッキーにもカレッジトップ級評価のLBキャンベルを指名した。
◇1巡32位 カンザスシティー・チーフス:ジョシュ・シモンズ(OT,オハイオ州立大)32位の「定位置」で指名したのは、全米王者チームのLTシモンズ。パスプロテクションは本当にレベルが高い。昨シーズン途中の負傷が無ければもっと好順位だったはず。