日本ポニーベースボール協会の全日本選手権が9月20日に開幕する。それに先立ち、7、8月には地区予選が各地で開催された。そこでは選手の障害予防とPONYリーガーの無限の可能性の探求と育成を目的につくられた制度「SUPER PONY ACTION 2020」が始動。さらに新型コロナウイルス感染症予防が、「選手を守る」視点で徹底された。
日本ポニーベースボール協会では、全日本選手権(9月20日開幕予定、場所:関東)の出場チームを決める地区予選に先立ち、新型コロナウイルス感染症対策のため、関係者への抗体検査を実施。すべてのベンチ入りする監督、コーチ、保護者、ならびに協会・連盟役員、大会役員に検査を義務付けし、審判や保護者も任意対象者とした。
これは協会の理念である「Protect Our Nation’s Youth(我が国の宝である青少年の成長を守る)」に基づき、選手が安心して野球を楽しめる環境を創出する目的で行われたもの。選手への感染を防ぐことを最優先するため、協会主導での実施となった。今後も大会に合わせて1~2カ月に1度、対象者への抗体検査を行っていく。
また、関東大会の開会式が行われた越谷市民球場では「非接触温度センサー」による検温を実施。選手、チームスタッフ、大会役員、父兄、約1200人がスムーズに入場を済ませた。また、試合が行われる各会場入りする際にも、チームごとに非接触型体温計を用意して検温体制を取り、一、三塁側に通じる通路や関係者入口に消毒液を配置するなど、可能な限り感染予防への態勢を整えた。
そして、全日本選手権の各地区予選では「SUPER PONY ACTION 2020」が本格始動。これは障害予防とPONYリーガーの無限の可能性の探求と育成を目的としてつくられた制度で、投手を障害から守るための学年ごとの「球数制限」や「球種制限」、ベンチや応援席からの過激な指導・応援に対する「イエローカード制」、選手を受動喫煙から守るとともに喫煙行為自体を選手の視界に入れないようにするための「大人の喫煙場所の確立」などが盛り込まれたもの。
その一環で運用が始まった「一球速報」は、球場以外の場所からもリアルタイムで試合状況を把握できるもの。試合実施日に仕事などで球場に足を運べない保護者へのサービスを主な目的として導入に至ったものだが、今回のコロナ禍で移動を極力避ける新しい生活スタイルが推奨される中で、有効活用が期待されている。
「SUPER PONY ACTION 2020」が初めて実施されたことにあたって那須勇元事務総長は「指導者や父兄が新しい制度の目的を理解し、初めてでも大きな問題なく運用することができました。今後、さらに徹底できるように、『子どもたちを守るための制度』であることの理解を深めていきたい」と語っている。
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