アメリカンフットボールの関東大学 2 部リーグは、9 月 21 日に B ブロック 1 次リーグ第 1 グループに所属する日本大学が、関東学院大学を 55-7 で下した。試合は第 3Q 残り 5 分 1 秒でコールドゲームとなった。日大は石上元輝(4 年=日大鶴ヶ丘)と川端迅(2 年=千葉日大一)の 2 人の QBを使い分け、バランスの取れた攻撃を展開。RB 酒井佑昌(3 年=箕面自由)の安定したランと WR 陣の勝負強さが際立った。日大は開幕の専修大学戦につづき大勝で 2 連勝とした。
日大・有志の会 須永監督の試合後インタビュー全文○日本大学・有志の会 55-7●関東学院大学(2025 年 9 月 21 日@アミノバイタルフィールド)
第 1Q 序盤から日大がペースを掌握
関東学院のレシーブで開始した試合は、関東学院が 3&アウトでパントした直後から日大ペースとなった。残り 9 分 46 秒、ハーフライン付近から攻撃を開始した日大は、初回プレーで RB 酒井が一気に敵陣 5yd まで駆け抜け、理想的なスタートを切る。
つづく攻撃の 3rd ダウンで WR 岩﨑充希(3 年=佼成学園)がスラントをキャッチして TD。残り 7 分 50 秒、TFP 成功で先制点を奪った。
関東学院はスポットラテラルの奇策で一時的にファーストダウンを獲得したものの、再びパントに追い込まれる。日大は自陣 40yd から再攻撃を開始すると、酒井の 20yd ゲインで一気に敵陣へ侵攻。さらに酒井の 5yd ゲイン、岩﨑へのパスでゴール前まで迫り、TE 坂本陽一朗(3 年=日大鶴ヶ丘)へのパスで 2nd&ゴール 1yd の絶好位置に。残り 2 分 42 秒、酒井の中央突破で 2本目の TD を決め、14-0 とリードを拡げた。
関東学院がビッグリターンでハーフラインを越えるも、エンドゾーン狙いのパスが不発に終わり 4th ダウンパント。残り 1 分 19 秒、日大は自陣 20yd から攻撃を再開し、QB を石上元輝に交代。石上から冨士原優斗(3 年=仙台育英)への確実なパスで敵陣 15yd まで前進すると、WRポジションに入った QB 小林伸光(3 年=佼成学園)がジェットスイープで 6yd を稼いで第 1Qを終えた。
本来の QB ではない WR でもチャレンジしている小林=撮影:北川直樹第 2Q 早々に WR で出場した QB 小林が独走 TD
第 2Q 開始直後、ゴール前 2yd から RB 石川陽翔(1 年、日大三)が中央を力強く突破して TDを決め、21-0 とした。
関東学院を 3&アウトに仕留めると、自陣 25yd から攻撃を開始した日大に決定的瞬間が訪れる。残り 8 分 47 秒、石上からのショートパスを受けた小林がエンドゾーンまで独走して TD。この試合最大のハイライトプレーで 28-0 と突き放した。
DL 會田空都(3 年=横浜立野)の鋭いサックで関東学院を後退させると、残り 6 分で Q 日大がハーフライン付近から攻撃を再開。交代した QB 川端から WR 青木峻(4 年=駒場学園)への17yd パス、桑野稜也(1 年=日大一)への 15yd パス、そして桑野の 20yd ランとテンポよく前進し、残り 4 分 43 秒に酒井の中央突破で 5 本目の TD。35-0 とした。
関東学院の攻撃を抑え、岩﨑の見事なパントリターンで敵陣 15yd の好位置を得た日大は、川端から WR 松田陽向(1 年=日大一)へのパスでゴール前 1yd まで迫り、桑野の中央突破で残り3 分 23 秒に 6 本目の TD。スコアは 42-0 に。
関東学院も諦めずに応戦し、敵陣 50yd 付近から QB 大口隼(3 年=横浜南陵)が WR 矢萩叶真(3 年=県立舞岡)にパスを通して残り 1 分 58 秒に TD を返し、42-7 とした。
前半終了間際、残り 25 秒で攻撃権を得た日大は、石上から WR 金子涼空(2 年=日大豊山)への確実なパスで 1st ダウンを獲得する。石上のキープでコントロールし、残り 3 秒で石上から金子へのフェードが決まって TD。TFP も成功し、前半を 49-7 で折り返した。

WR 金子は勝負どころのロングパスで活躍した=撮影:北川直樹
第 3Q 残り 5 分でコールドゲームに
後半は日大が QB 川端を起用して自陣 20yd 付近から攻撃開始。川端から金子へのパス、桑野の中央ランで着実に前進したが、3rd&4 で石上から森翔太郎(2 年、千葉日大一)を狙ったパスは惜しくも不成功に終わった。
しかし残り 5 分 11 秒、日大がフィールドゴールの構えから中央を割られプレーが崩れ、ホルダーが DB 原田望(3 年=日大鶴ヶ丘)にパスを決めて TD。55-7 となり、残り 5 分 1 秒でコールドゲーム(前半終了時 35 点差、3Q 終了時 28 点差がついた場合にランニングタイムに移行し、リードしたチームが得点した時点で試合終了)が成立した。
日大は、QB の石上と川端の特性を活かした 2QB 制で多彩な攻撃を展開し、関東学院を圧倒。RB 酒井の力強い走りは安定感があり、WR ポジションでも高い能力を発揮した QB 小林のプレーぶりが印象的だった。チームの核である主将 LB 三ケ尻晃基のタックル、DL 會田のサックに象徴されるように守備陣も堅実さを示した。
U20 日本代表にも選出された DL 會田が守備フロントを力強く支える=撮影:北川直樹