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2020-05-15

[野球食]春の味覚でエネルギー代謝アップ新玉ねぎと鯖缶のチーズ炒め

海老久美子(管理栄養士、公認スポーツ栄養士)

※写真上=新玉ねぎと鯖缶のチーズ炒め
写真◎ベースボール・クリニック

◎副菜

<材料>(球児1人前)
・新玉ねぎ……1個
・鯖味噌煮缶……小1缶
・オリーブオイル……大さじ1
・にんにく……1片
・小口切り唐辛子……1本分
・粉チーズ……大さじ1
・塩、こしょう……各少々
・切りみつば……1/2束
・レモン汁……大さじ1

<作り方> 約20分
1)玉ねぎを薄くスライスする。
2)フライパンにオリーブオイルとスライスしたにんにくと唐辛子を入れて火にかけ、(1)を加えて少ししんなりするまで炒める。
3)鯖缶を汁ごと加え、全体が馴染んだところで、粉チーズを加える。味を見て好みで塩、こしょうで整える。
4)みつばとレモン汁を加え、ザッと混ぜて火を止める。

<Point!>
! 鯖は水煮缶にし、トマト缶を合わせてもおいしい。
! 缶詰の味つけに合わせて調味料は調整。
! 切った新玉ねぎは水にはさらさない。

<栄養量>(球児1人分)
エネルギー 499kcal
タンパク質 28.9g
脂質    27.2g
糖質    34.4g
カルシウム 451.5g
鉄     2.6g
ビタミンA  97.8μg
ビタミンB1 0.26 mg
ビタミンB2 0.52mg
ビタミンC  33.9mg

<Pickup栄養素>
硫化アリル
生の玉ねぎに多く含まれる硫化アリルは、ビタミンB1の吸収と活性をうながす作用のほか、体の抵抗力を向上させたり、血管を詰まらせる原因となる血栓を防ぐなどの働きを持つ。

さまざまな栄養素が摂れて、用途もいろいろ

 玉ねぎや新玉ねぎは、硫化アリルという成分が多い。硫化アリルにはビタミンB1の吸収を良くする働きがあるのだが、ビタミンB1と言えばエネルギー代謝に関わる栄養素。
 つまり、硫化アリルを含む玉ねぎを食べることは、球児のエネルギー代謝の効率のアップにつながるのだ。

 生でも食べられる新玉ねぎだが、今回は軽く炒める。普通の玉ねぎだと、しんなりするまでとか、きつね色になるまで炒めることが多いが、新玉ねぎは本当に軽くでOK。

 炒めた新玉ねぎには、鯖の味噌煮缶を和える。
 青魚は魚特有の脂肪酸であるDHAとEPAが豊富。これらは脳や神経の機能に影響し、認知症予防や脂肪燃焼の促進などに関わるという研究も進んでいるが、まず球児の現状として不足しやすいn-3系多価不飽和脂肪酸を摂れるというだけで大きな意味がある。
 
 鯖缶は骨まで食べられるので、カルシウム源にもなる。味噌と相性が良いチーズを加えることでよりカルシウムがパワーアップ。また、良質なタンパク質源でもある。

 このレシピは、パスタのソースにしてもいいし、生の新玉ねぎのドレッシングにして、ダブル新玉ねぎサラダにする使い方もできる。ごはんにかけて丼物として食べてもおいしいだろう。

《PROFILE》
海老久美子(えび・くみこ)
立命館大スポーツ健康科学部副学部長。管理栄養士、公認スポーツ栄養士、博士(栄養学)。全日本野球協会医科学部会委員。JOC強化スタッフ。ジュニアからトップまで、各種目のアスリートへの実践的な栄養教育・サポートを実施。著書に『野球食』『野球食Jr.』『野球食のレシピ 』『女子部活食』(小社刊)などがある。

文責◎ベースボール・クリニック

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