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2020-05-08

[野球]2020年度改正規則の解説<3>その他の規則改正点

プロ・アマ合同の日本野球規則委員会により発表された2020年度の改正規則16項目について3回にわたり解説する。第3回は、走者が打球に触れた場合の規則改正、投手の投球動作に関する改正点以外の変更点について取り上げる。

写真◎ベースボール・マガジン社

解説/日本野球規則委員会

(9)5.05(b)(2)の改正

5.05(b)(2)【原注】の追加

 【原注】投球が打者の身に着けているネックレス、ブレスレットなどの装身具にだけ触れた場合には、その打者が投球に触れたものとはみなさない。

 投手の投球が打者に触れたときの規則ですが、ネックレスやブレスレットにだけ触れた場合は、ヒット・バイ・ピッチと認めないこととしました。

(10)5.06(b)(4)(I)の改正

5.06(b)(4)(I)を次のように改める。(下線部を改正)

 四球目、三振目の投球が、捕手のマスクまたは用具、あるいは球審の身体やマスクまたは用具に挟まって止まった場合、1個の塁が与えられる。

(11)5.06(c)(7)の改正

5.06(c)(7)を次のように改める。(下線部を改正)

 投球が、捕手のマスクまたは用具、あるいは球審の身体やマスクまたは用具に挟まって止まった場合―各走者は進む。

 (10)、(11)の改正は、投球が球審の身体に挟まって止まった場合も、マスクや用具に挟まって止まった場合と同様に、ボールデッドとなり、1個の進塁を許すことがあると定めたものです。ボールデッドにするか否かの判断は、すべて球審に委ねられます。

(12)5.10(g)の改正

5.10(g)の後段として次を追加する。

 以下はマイナーリーグで適用される。先発投手または救援投手は、打者がアウトになるか、一塁に達するかして、登板したときの打者(または代打者)から連続して最低3人の打者に投球するか、あるいは攻守交代になるまで投球する義務がある。ただし、その投手が負傷または病気のために、それ以後投手としての競技続行が不可能になったと球審が認めた場合を除く。

 先発投手、救援投手は、最低3人の打者に投球するか攻守交代になるまで交代が許されないことになります。
 ただし、この規則は冒頭の文章にあるように、2019年にマイナーリーグで試験的に採用された規則です。メジャーリーグで今年から正式に採用されるとの情報がありますが、わが国では今年からの採用は見送ることにしています。

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