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2026-05-11

【相撲編集部が選ぶ夏場所2日日の一番】大関復帰の霧島が、義ノ富士戦を突破し連勝発進で土俵を締める

義ノ富士に右を使わせず、最後は突き落として連勝とした霧島。あすの藤ノ川との対戦も注目だ

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霧島(突き落とし)義ノ富士

横綱大の里と大関安青錦が初日から休場、そのうえ、横綱豊昇龍も初日の髙安戦で右太もも裏を痛めて(ハムストリングス損傷)1日で土俵から消えてしまった。
 
いささか、序盤から歯が何本も欠けてしまったような感じにもなっている5月場所だが、そんな中で何とか土俵を締めているのが、今場所大関復帰を果たした、先場所の覇者・霧島だ。
 
初日は隆の勝を余裕を持っての叩き込み。そしてこの日は、若手の義ノ富士を相手に迎えた。上位陣に休場者が多い今場所にあっては、序盤に当たる顔ぶれの中では一つの関門と言っていい実力者だ。
 
過去は、昨年7月の初顔合わせでは右四つがっぷりから右外掛けで義ノ富士(当時は草野)、今年1月場所は左上手投げで霧島が一つ返し、3月場所でも左上手投げで霧島が勝っているが、この勝負はちょっと立ち合い合わずだったので参考外に近い、という感じではある。
 
これまでの対戦を見ると、やはり義ノ富士の差し身のよさに、どちらの四つでも取れる霧島は結局右四つになる展開が多い。となると勝負のカギは、義ノ富士が右差し手を利用して潜り、霧島の上体を起こせるかだといえるだろう。
 
果たしてこの日の対戦も、やはり義ノ富士の右をめぐる攻防がカギになった。少し距離を取っての差し手争いから、まず義ノ富士が右を深く差し、下手をつかむが、霧島はこの差し手が生きる前にヒジを極めて小手に振る。一瞬後ろを取られかけた義ノ富士だが、反応よく向き直る。霧島は左上手を狙うが取れず、再度義ノ富士が右をのぞかせる形に。だが霧島はやはり外から極めるようにして相手の左に仕事はさせない。義ノ富士は極められるのを嫌って振りほどき、今度は突いて出たが、頭を下げて出ようとしたところで足が揃った瞬間を霧島に反応され、突き落とされた。

「中に入りたかったんですけど、うまく左からおっつけられて、止められてしまいました。自分の右のほうへ右のほうへ回ってきて、何もさせてもらえなかった」

とは敗れた義ノ富士。霧島としては、徹底して義ノ富士の右をマークし、仕事をさせなかったことが勝因だろう。

「こういうバタバタした相撲は取りたくない」

という霧島だが、「体の流れがよかった。稽古のおかげ」とも。あるいは本人はそこまで義ノ富士の右を警戒、というつもりはなかったのかもしれないが、激しく動いている中で、自然にそういう動きが徹底できているのであれば、それこそが好調さを物語っていると言っていいだろう。
 
出場しているもう一人の大関の琴櫻が、初日の藤ノ川に続いて、この日も若隆景に敗れて連敗とあっては、土俵を締める存在としての期待を一身に背負う存在になりつつあるが、今のところは「全く意識していない。自分の一番だけに集中していけばいい」と、集中力を研ぎ澄ます。
 
まだ2日目を終わったばかり、あすは新進気鋭の藤ノ川との対戦が待つので、まだ場所の趨勢を決めつけるような言い方をするには早すぎるが、「霧島に挑むのは果たして誰か?」という場所になっていきそうな予感は強くなってきた。

文=藤本泰祐

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