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2020-09-16

【相撲編集部が選ぶ秋場所4日目の一番】 照ノ富士(押し出し)正代

3日目を終えて三役以上でただ1人全勝の関脇正代。3日間の相撲はすべて相手を圧倒する完勝で、スポーツ紙では評論家を務める親方衆からお褒めの言葉が並んだ。

※写真上=先場所土をつけられた正代を一気に押し出し、借りを返した照ノ富士
写真:月刊相撲

 4日目の対戦相手は照ノ富士。先場所は14日目に顔が合い、正代が照ノ富士の独走を阻む白星を挙げている。照ノ富士としてはリベンジしたいところ。

 立ち合いでいつものように胸から当たった両者。正代が右を差すも照ノ富士が突き放して前進。照ノ富士は慌てて前に出た正代を右差し手を返して起こすと、左をハズにかけて一気に出て押し出した。正代はいつもの立ち合いの激しさがなかった。

「先場所負けているので、しっかり自分の形をつくろうと思った。リベンジ? それはない。集中していくだけ。思い切って当たれたのでよかったです」と振り返った照ノ富士。

 初日から役力士と当たり連敗スタートとなったが、これで星を五分に戻した。連続優勝を期待する声もあるが、「そんなに上位は甘くない。先場所は勢いがあったから勝てただけ」と語っていた。朝乃山、正代の実力者を破り、ここまでは順調か。「明日からも一日一番、できることを精いっぱいやるだけです」と気を引き締めていた。

 初黒星を喫した正代は、「立ち合いから上手を取られなかったんですけど、その分、自分の入りも浅くなって前に出られなかった。廻しを取られることを意識しすぎて、腰が引けていた気がします。二歩目が出なかった感じ」と敗因を語った。

 これで全勝は阿武咲と新入幕の翔猿の2人だけ。今場所の優勝争いも大混戦となりそうだ。

文=山口亜土

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