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2020-07-30

【相撲編集部が選ぶ7月場所12日目の一番】 御嶽海(突き落とし)白鵬

2敗力士がいなくなり、1敗の白鵬、朝乃山、照ノ富士の3人に優勝争いが絞られてきた7月場所。照ノ富士、朝乃山が1敗を守り、結びの白鵬-御嶽海戦を迎えた。

写真上=土俵際で御嶽海の突き落としを食い、痛恨の連敗を喫した白鵬
写真:月刊相撲

 前日に初黒星を喫した白鵬は気合が入っていた。右から軽く張って右上手を取り、左も浅い上手を取って一気に前に出る。しかし、土俵際に落とし穴が待っていた。御嶽海は土俵に詰まりながらも、両差し手をうまく抜くと、体を捻って右突き落とし。勢いがついていた白鵬は足を送れず宙に舞った。

 痛恨の連敗を喫した白鵬は、土俵下に落ちたあと、足を気にしてなかなか土俵に上がれない。ゆっくりと土俵下を半周して土俵に上がった。引き揚げるときも右足を引きずるような感じで心配だ。

 2日目に鶴竜が休場したとき、「託されたと思って、一日一日頑張る」と語っていた白鵬。何となく休場しそうなムードだが、千秋楽まで横綱の責任を果たしてもらいたい。

 白鵬を破って9勝目を挙げた御嶽海は、「完璧に負けたと思いました。最後は捨て身でした。張られて体も流れて、上手も取られてもうダメだと思った。でも、勝ちたい気持ちは強かった」と振り返った。

 今場所の御嶽海の第一目標は二ケタ勝利。大関昇進の足場を固めるために、「残り3日あるので、目標の二ケタ勝ちたいと思います。流れはあると思うので」と意気込んだ。

 前日に勝ち越しを決めてカド番を脱出した貴景勝が、左ヒザの靱帯を痛めてこの日から休んだ。貴景勝の休場によって、幕尻の照ノ富士を朝乃山や白鵬に当てやすくなり、13日目に朝乃山-照ノ富士の1敗対決が組まれた。勝った方が単独トップとなり、優勝に大きく近づくことになる。

 照ノ富士は「できることをやるだけ」と繰り返し、朝乃山は「大関の先輩ですから、胸を借りるつもりで思い切りいきます」と謙虚な気持ちでぶつかる。明日の大一番が今から楽しみだ。

文=山口亜土

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