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2020-03-13

【相撲編集部が選ぶ春場所6日目の一番】 德勝龍(寄り切り)鶴竜

6日目も無事に終わり、全勝は白鵬、御嶽海、碧山の3人、1敗で朝乃山、隆の勝、千代大龍、石浦の4人が追う展開となった。

※写真上=全場所の覇者・德勝龍が鶴竜を破り、今場所の初白星初金星を挙げた
写真:月刊相撲

 6日目も無事に終わり、全勝は白鵬、御嶽海、碧山の3人、1敗で朝乃山、隆の勝、千代大龍、石浦の4人が追う展開となった。

 注目の一番だった朝乃山-御嶽海の全勝対決は、モロ差しを果たした御嶽海が朝乃山の左上手投げをしのいで寄り切った。6日目の一番はこの相撲の予定だったが、結びで先場所優勝の德勝龍が初金星を挙げたので変更。

 先場所の德勝龍は、役力士との対戦は大関貴景勝だけだったが、自己最高位の西2枚目に上がった今場所は、初日から三役以上に当てられ5連敗。それでも5日目の白鵬戦は、得意の左四つに持ち込み横綱を苦しめたように調子は悪くない。

 6日目は横綱鶴竜に初挑戦。右四つの鶴竜とはケンカ四つになるが、立ち合いの当たりよく差し勝って左四つに。鶴竜に両廻しを取られたが、動きながら左下手を切ると、左差し手を返して前進。鶴竜としては巻き替えたいところだったが、そのスキを与えず寄り切った。鶴竜は右上手が1枚廻しで伸びてしまったのも痛かった。33歳6カ月での初金星は年6場所制となった昭和33年以降では3位の年長記録となる。

「三役以上はそう簡単に勝たせてくれない。負けても落ち込むことなく、やれることをやろうと思っていました。ずっと負けていたので、長かったなあという感じです。結びで勝って金星というのがうれしいですね」と德勝龍は顔を紅潮させた。

 取り口については、「もう気合を入れていくしかないと思っていた。上手を取られて危なかったんですけど、左を差したので思い切り、必死にやりました」と語る。

 7日目は先場所優勝を決めたときの相手、貴景勝と組まれた。これで三役以上との対戦は終了する。黒星4つ先行と苦しい星勘定だが、「この白星をきっかけに明日からも頑張ります」と胸を張って引き揚げた。

 幕内優勝を果たした力士で最高位が平幕止まりだったのは過去に1人しかいない。今の最大目標は三役昇進。目標に向かって、この金星は大きな白星となりそうだ。

文=山口亜土

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