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2026-09-26

【相撲編集部が選ぶ秋場所14日目の一番】大の里連敗! 安青錦に並ばれ、千秋楽は相星決戦へ

大の里は前に出たところを土俵際で琴櫻にかわされ連敗。安青錦に並ばれ、優勝の行方は千秋楽の相星決戦にかかることになった

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琴櫻(突き落とし)大の里

いやはや本当に勝負事というのは、一寸先は闇だ。
 
ほんの2日前の段階では予想もしなかった展開になってきた。一時は独走かという状況を築き、13日目の優勝決定もあるか、とさえ思われた大の里が、きのうの霧島に続き、きょうは琴櫻に連敗。それぞれ相手が大関なので、「よもやの」という言葉は適当ではないかもしれないが、しかし2日続けて負けるとは、予想できた人はあまりいないだろう。
 
きのうは前に出ながら土俵際で投げられて敗れた大の里。この日も、「完全に捕まえきれないまま前に出て、土俵際で左からの技でかわされ、前に倒される」という意味では、同じような形の敗戦を喫した。
 
この日は立ち合いはモロ差し狙いの琴櫻を右を固めて互いにはじく形になった。そのあとは互いに右を差す。そして大の里だけが右下手で廻しをつかんだ。
 
理想の攻めとしては、ここはできれば深く差したヒジを使って右から起こしながら、左を下からおっつけ、といきたいところだったが、横綱はどうやら、左は上から抱える形になったうえ、その動きに入って腰を寄せるのがほんの少し遅れてしまったよう。それを機敏に察した琴櫻が右の差し手を抜いて左に回り、突き落とすと、横綱は前につんのめった。
 
連敗の大の里は一時の独走状態がウソのように、アッという間に3敗となった。追っていた3敗勢はこの日、朝乃山が藤ノ川の土俵際の粘りで突き落とされて4敗となったが、安青錦はまず右上手、頭をつけてやがて左下手、と大事に攻めて霧島を破り3敗を守った。

「廻しを取って自分らしい相撲が取れたのでよかった。我慢して勝ててよかったです」と安青錦。途中3連敗もあったが、ここにきて8連勝。立て直しへは「特には」と話したが、6日目の夜に「師匠といろんな話をして、立て直すことができた」とのことで、本人が「自分らしい相撲が多かった。それが結果につながった」と言っているとおり、このところしっかりした内容の相撲が続いており、しり上がりに調子を上げてきた。
 
まさかこの展開を予想していたわけではなかろうが、大の里-安青錦の顔合わせは、本来の番付順とは異なるが、審判部によって温存されていたため、千秋楽は二人の相星決戦により、賜盃の行方に決着がつくことになった。
 
さて相星決戦はどうなるか。大の里のポジティブ・ファクターとしては、やはり今までの対戦成績で4勝1敗と圧倒していることだろう。直近の先場所も攻め切られて負けたわけではなく、はずみで土俵を飛び出したような内容ではあった(この2日間の連敗と同様、土俵際で左にかわされてつんのめっている、というのはちょっと不吉だが……)。
 
ネガティブ・ファクターとしては、やはりここにきて連敗していることだ。まずは気持ちをどう立て直して、集中し直すことができるか。そして、もしかしたらほんのちょっとしたことなのかもしれないが、メカニックの狂いは生じているのかどうか。生じているとすれば修正はできるのか。ここにきて安青錦の内容がいいのも、安青錦にはプラスの材料だ。
 
最後が思わぬ相星決戦となり、果たしてどうなるかと、その一番への興味は尽きないが、ただ場所として振り返ると、終盤に連敗した人か、前半に3連敗した人のどちらかが優勝するわけなので、まあ勝った力士は「連敗の試練をよく乗り越えた」ということにはなるのだろうが、「優勝した○○○は、強かったなあ」ではなく、「はて? 結局、誰が強かったんだろう?」という印象の場所ともなりそう。まあ、それが今の角界の勢力図を正確に表している、ということになるのかもしれないが。

文=藤本泰祐

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