星稜(石川)との延長14回の激戦の末敗れ、惜しくもベスト4進出はならなかった智弁和歌山(和歌山)。今大会はチームカラーである強打だけでなく、投手力もチームの原動力となっていた。
※上写真=米子東戦で自己最速148キロをマークした小林。トレーニングを継続してきた結果が数字として表れた
写真◎田中慎一郎
例年、強打が売りの智弁和歌山。今年も5季連続出場となったキャプテン・黒川史陽、守備職人・西川晋太郎、強肩強打の正捕手・東妻純平を中心とした打線は強力だった。
それに加えて今年のチームは投手陣も充実、右の本格派が2枚、ゲームメイク能力の高い左サイド、最速142キロの期待の1年生をそろえた陣容に古宮克人副部長は「智弁和歌山史上最高のピッチャー陣だと思います」と話す。
昨秋まではそれぞれ良いものを持ちながら潜在能力を発揮し切れず、それなりには抑えるが投げてみないと分からないというもろさも見られた。
ステップアップの基盤を築いたのはオフ期間。古宮副部長によると「こういう段階を踏んだら確実に良くなるからと説明して、その後自主的に知識もつけて取り組んだ成果だと思います」。
「こういう段階」とは具体的にどのようなものなのだろうか。
「逆算ですよね。この冬にこれぐらいになろう、そのためには下半身の筋肉はこれくらい、上半身の筋肉はこれくらい必要。それに伴って関節周りも強くならないと出力だけ上がってケガをしてしまう。バランス良く鍛えてその後、タイミングを合わせる。そのくり返しです。強化、タイミング合わせる、ケガのリスクを回避する。春はまだ成果が出なかったんですけど、5月、6月ごろに合ってきて、調整がうまくいったので夏の結果につながりました」
1回戦の米子東(鳥取)戦の9回に登板し、自己最速を更新する148キロを投じた小林樹斗は「真っすぐのキレが以前と比べて一段と良くなりました。ウエートトレーニングであったりジャンプ系のトレーニングであったり、冬から同じメニューを続けている成果だと思います」。
オフが開け試合期になってもトレーニングを継続し球速がアップ。この日投じた9球の内、スライダーは最後の打者をライトフライに打ち取った1球だけ、ストレートのみで2つの三振を奪った。
2回戦の明徳義塾(高知)戦で150キロを計測したエースの池田陽佑は、「その前に投げたボールで今日感じ良いなあと思っていたら出た150キロなので、すごい良い感じでした。真っすぐが速くなって、それによって変化球を振ってくれるようになったのが一番成長したかなと思います。(投手陣全体のレベルが上がったのは)練習時から僕が『スキを見せるな』と言い続けてきて、皆スキがないように練習してきたことが良い結果につながっていると思います」。
やみくもに筋力アップに励んでも体が大きくなるだけ。うまくなるには正しい知識と目的意識が必要。日本一を目指した戦いは道半ばで夢敗れたが、心技体の充実した投手陣は3試合でわずか6失点、甲子園のマウンドで躍動した。
文◎小中翔太(スポーツライター)
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