1月3日のライスボウルで28年の監督生活に終止符を打った関西学院大の鳥内秀晃監督。試合後の記者に囲まれて語った内容を完全収録する。
試合後に選手たちに語りかける鳥内監督
鳥内 主役は学生や。こっちがな、ミスとか反則とかしとったらあかんわな。やっぱり、パス、いかれたんも、アジャストミスやな。ああいうところをちゃんとやらんと、勝負できひんわな。
――向こうのランナーに対してはどうでした?
鳥内 やられとったわな。飛び込んで行ったら、ああなってしまうわな。
――最後のプレー、タッチダウン、ほしかったですね。
鳥内 そやね。しゃあねえな。
――いいところでミス、出てしまうのは、どういう原因ですか。
鳥内 やっぱり守りの教育不足やわな。それは、防げるからな。そこは徹底してできひんかったのが失敗やわな。
――相手への過剰なリスペクトというか、過剰な警戒から
鳥内 経験値がモノをいう思うけどね、それは。やっぱり、ディフェンスの作戦自体ちょっと複雑化しすぎとったのかもしれんな、それは。若い子にとっては、パニック状態になる可能性がある。それはちょっとどうかなということが反省としてはある。
――学生が現時点でどうですか。
鳥内 学生の方が体力的にしんどいしね。我々も故障者だらけで、まあ、授業も忙しいし、なかなかしんどい。現実問題として。
――さっき、目が潤んでいるように見えたんですけど。今日はさすがに感じるところはありましたか。
鳥内 ちょっとだけな。
――会見の時に一生…
鳥内 一生、おもろない。
――何かのモチベーションになったりしませんか。
鳥内 休憩や。
――さっき、俺も手伝えることがあったらやる、ゆうようなことを言っていませんでした? あれは何を意味しているのですか。
鳥内 ああ、学生に。まあまあ、毎日は行かへんけどな、学生に話をしてやる、それだけや。現場には関わらへん。個人個人や。話をして言われれば、話をするけど。まあまあできることだけをする。あまり関わってはあかんねん。それは。いらんこと、せえへんほうがええねん。
――さっきもおっしゃっていましたが、来年のこと、考えなくていいというのが、気持ち的にほっとしたことがあるのですか
鳥内 それは楽やで。それは楽やで。
――その分で何をするんですか。
鳥内 ほっといてえな。笑。何も考えてええへん。
――試合のことを聞いていいですか。若い選手が結構頑張っていたなあと印象を持っているのですが。
鳥内 おるからなあ、それなりに。ここまできたら、オフェンスもディフェンスもけが人ばっかりやねん。もう、肩が外れかけているのんばっかりやねん。
――D Bがちょっとしんどかった。
鳥内 しんどいな。もともとしんどいけど。
――去年より点差は縮まりましたけど、それは、成長ととらえていいのでしょうか。
鳥内 ちゃうちゃう。向こうがメンバー、落としてきたからや。
――最後まで諦めるなと言ってはって、最後の攻撃はそれに応えていたかなと思った…。
鳥内 最後の1プレー、とりたかったな。ちょっと甘かったな。
――スペシャルプレーもちょっとちぐはぐで、できへん時もあった。
鳥内 あれな、ちゃうねん、もっと反応すると思うとったん、しんどいかどうか、サボるっいうか、よう見とんねん。警戒されとったな。
――パントの後のプレーで、交代違反があったのは、痛かったですね。
鳥内 痛いねん、いらんことばっかりしとんねん、そういうことをしとったら、勝負できへんねん。我々のほうは。
――今年かなり4年生が厳しいと。1年間の中でそうと厳しいとよくここまできましたね。
鳥内 下級生のおかげちゃう。下級生がよう頑張ってやってくれてるちゃう。4年もそれだけ変わっていったけどな。遅いわ。見てて。
――鳥内さん、終わった瞬間の感情ってね、もっとできたのにという悔いなのか、ちょっとやり切った感なのか。
鳥内 やり切った感はないねんけどね。できん、毎回毎回。反則、ミスが多くて、まだまだ練習で甘いねん。我々のね。
――最後まで反省の方が先に立った?
鳥内 そやで、そやで。
――聞かれたと思いますが、最後の試合を終えて、率直な感想をお願いします。
鳥内 やっと終わっただけや。ファーや。
――もっとやりたいということはないですか。
鳥内 しんどいねん。わかる。しんどいでほんま、これ。
――28年は長かったですか。
鳥内 終わったら早いねん。終わったら、早いねん。
――昨日までは長いと思っていました?
鳥内 長ないけど、もう1日だけやと思う。終わったら早い。
――昨日は学生にどんな話をしたんですか。
鳥内 誰に? 4年生に? 言われへんな。
――次のファイターズに伝えるとするとどんな話を伝えたいですか。
鳥内 どういった話というよりは、このチームは永遠に期待されるチームやから、ファンも多いし、そのファンの期待に応えられるようにやって欲しいなあと。「なあんや」と言われるチームになったらあかんし。そういう注目されとってやれるというんが一番、自分も伸びるチャンスがあんねん。個人個人が。そういうやりがいのあるチームにおんねんけどね。まだまだ上を目指してみんながやっていけば、ちゃんと機能するちゃうかと思いますけどね。
――鳥内さん、重圧と戦ってきたという28年ですか。
鳥内 重圧は、学生に重圧を与えるのとちゃう、上の責任者が重圧を受け取ったらええねん。プレッシャーを、それはしゃあない。
――そのプレッシャーから解放されるという安堵感もあるわけですか。
鳥内 そうそう。思ってへんことを書きよるからな、マスコミは。そのちょっとした一言がほんと傷つくねん。以上。いいやん、負けてんねんから、ほっといてえな。
――監督はやり切ったという感じはありますか。
鳥内 やり切ったというより、いうとたら、終わられへん。そやろ、100まで生きへんねんから。バトンタッチして、やってもらわな困る。それだけや。はい。
――ありがとうございました。
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