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2020-10-20

【陸上】新谷仁美が語る1500m、ハーフへの挑戦の理由「苦手なところを埋めていかなければ勝負にならない」

世界で戦うことにこだわり、ひたむきに走り続ける新谷 写真提供/Nike

ナイキジャパンが三井不動産レジデンシャルと共同で、すべてのアスリートが気軽にスポーツを日常化できて、コミュニティと共に新たな体験を生み出すスポーツパーク「TOKYO SPORT PLAYGROUND SPORT × ART」を10月10日、豊洲にオープン。10月13日には、メディア内覧会および陸上界からは新谷仁美(積水化学)をゲストにオープニングイベントを行った。その新谷にTOKYO SPORT PLAYGROUND SPORT × ARTの印象、今季のここまでと12月に控える日本選手権についても聞いた。

私だったらスピード練習で使いたい

――TOKYO SPORT PLAYGROUND SPORT × ARTの印象は?

新谷:上から見たときに本当に今の時代に合ったカラフルで未来感のあるパークだなと思いました。こういったトラックは経験したことがないので、今日ここに来れて楽しみです。

――この「コルテッツ トラック」では、どんな練習がしたいですか。

新谷:私だったらスピード練習で使いたいなと思いました。(台形のトラックで)コースが外レーンと中レーンで違うところがあるので、すごくスピードが出しやすいのではないかと。室内種目だとそういうトラックもありますが、私はまだ室内トラックの試合を経験したことがないので、違った感じで楽しめるのかなと思います。(高低差もあるので)スピードが出やすいトラックなのかな、というイメージです。


ゆりやんレトリィバァさんとTOKYO SPORT PLAYGROUND SPORT × ARTのトラック走る新谷選手(左) 写真提供/Nike

――9月の全日本実業団(5000m14分55秒83=日本歴代2位をマーク)から約1カ月、どんな日々を過ごされていましたか。

新谷:緊急事態宣言下のときよりは生活面でも普通に過ごしています。感染予防をしながら普段どおりの練習ができています。駅伝や12月の選考会(日本選手権)があるので、練習は継続してできています。

――今季のことを振り返って、7月の東京選手権で1500m(4分21秒77)に出場された意図は?

新谷:ハーフマラソン(1月のヒューストン・ハーフ、1時間06分38秒=日本記録)と同じように、5000mや10000mにつなげるための1500mです。私が引退する前は10000mに強い選手が長距離を勝っていたんですが、復帰後からは世界的に見ても中距離選手が10000mや5000mを勝っています。時代に合ったやり方でしか私が望む結果が出ないというのは、ドーハの世界選手権でも感じていたので、そこを横田(真人)コーチと話し合い、苦手な部分を埋めることで、10000mや5000mにつなげようと。

――ドーハ世界選手権ではでシファン・ハッサン(オランダ)選手が1500mと10000mで優勝しています。

新谷:ハッサンだけじゃなく、コロナ期間が明けてからも中距離選手が10000mや5000mで好記録を出しています。もちろん、1500mの記録が10000mや5000mの結果につながるかは、大会にならないと分からないですし、レース展開にもよりますが、記録を出す上では、中距離的なところ、私が苦手なスピードだったりラストスパートは、今の私だったら勝負にならないというのは重々分かっているので、そこを埋めていかなければいけません。いつまでも「嫌」「できない」と言っている場合ではないので、身に付けられる部分は身に付けていきたいと思い、1500mに出ました。

――ハーフマラソンに出たのも同じ意図でしょうか。

新谷:正直なところ、嫌ですよ。マラソンも、ハーフマラソンも、何なら10000mも走りたくないです(笑)。でもやっぱり、仕事として自分が結果を求めるのであれば、苦手なところを埋めていかなければ勝負にならないというのは現実的に自分が一番理解しているので。自分の中では今は一番最高の環境でできているので、それを埋められると思ってやっています。

日本選手権は10000m本命で行きます

――陸上界に復帰し(2018年)、横田コーチと組み始めた時点でそういう発想はあったのでしょうか。

新谷:いや(笑)、復帰した時点で横田コーチとの信頼関係というのは、そこまで強くはありませんでした。本当の意味で横田コーチを信用し始めたのは、2018年の復帰戦が日体大記録会の3000mで、その1カ月前くらいに「この人のことを信用してみよう」と、その信用から入った関係でした。

 練習内容を本格的に引退前のものから変えたのは、昨年のドーハ世界選手権が終わってからです。それまでは私がやりたいと思った練習を、過去の練習メニューから自分でやっていたんですが、世界選手権を経験して、今のままじゃ私が求める結果は出せないなと思った。横田コーチの力をお借りして、今は横田コーチが練習メニューを全部組んでいます。



――横田コーチのTWOLAPS TCには、世界を意識している若い選手が多くいます。みなさんはずっと一緒に練習をされているわけではないですが、刺激を受ける部分もあるのでは?

新谷:会わない日もありますし、すごい仲がいいかと言われると、「お手てつないで」という関係ではないですよ(笑)。お互いがそれぞれ横田コーチと話し合ってそれぞれの目標に向かっています。やり方は違いますが、みんなが世界で勝つという意識を持っているところが、お互いリスペクトできるチームなのかなって思います。

――横田コーチと取り組んでいる練習メニューは? スピードを意識した400mのインターバルなども取り入れているのですか?

新谷:400mや1000mのインターバルは私も過去にやっていましたし、大きくは変わってはないのですが、変化走や、補強トレーニング、ウェイトトレーニングを取り入れたのが変わった点です。あとは何よりもコミュニケーション。コーチと選手がしっかりコミュニケーションを取るという内面的なケアはしっかりしています。それが以前と違う状況ではあります。

――ウェイトトレーニングをされてプラスになっていると感じますか。

新谷:私はプラスになっていると思います。プロテインに関しても太るという説だったり、サプリと勘違いされたりもするのですが、プロテインはあくまでも食品なので。もちろんプロテインだけでは強くなりませんし、ウェイトトレーニングだけでは筋肉の使い方も違うので、それだけだと効果がないのですが、私としては走り方に安定感も出ました。ストライドも、自分では分からないのですが、みなさんから「走り方が変わった」と、全日本実業団の5000mのときにすごく言われました。

 何より自分が変わったと思ったのはユニホームがピチピチになったことです(笑)。去年と同じサイズを頼んだのですが、まさかここまでとは思わず、スタート前に着替えて「やばっ」と思ったくらいパツパツでした。ただデブっただけかもしれないですけど(笑)、体が大きくなったというのはあります。

――オリンピックの代表選考会となる12月4日の日本選手権(ヤンマースタジアム長居)は10000mで出場されるのでしょうか(※新谷は5000m、10000mで東京五輪参加標準記録突破済みのため、優勝すれば代表に内定する)。

新谷:確か全日本実業団のときに、5000mと10000mも両方出られると思いますと言ってしまったのですが、日程を確認したら、1日で終わっちゃいますよね。さすがに、5000m走ったあとに10000m走ります、というのはできないので、10000m本命で行きます。

――田中希実選手(豊田自動織機TC)と5000mで勝負したいというのはありますか。

新谷:それはもう勝負する場所があれば勝負したいなとは思うんですが、彼女は彼女でやり方があると思います。ただ、彼女はすべての人に影響を強く与えていると思うので、そこをどれだけ他の選手がやる気に変えられるかに注目したいです。田中希実ちゃんというよりも、彼女に影響された選手がどれだけ「今のままじゃだめだ」と思えるかを、しっかり見ていきたいなと思います。

――田中選手と新谷選手は今季、同じような流れでアプローチされているのでは?

新谷:いや、私は1500mを走ってみて、改めて思ったのは「あれ?」って(笑)。自分で思っていたより普通の結果だったなと。ちょっとショックで逆に面白かったです。また挑戦する機会があれば、1500mは自分が苦手だなと思うところが結構あったので、その部分は来年以降にしっかり埋めていきたいなと思います。今年は、駅伝と日本選手権があるので、来年からですね。

陸上競技マガジン 11月号 | BBMスポーツ | ベースボール・マガジン社

展望:全日本大学駅伝/全国高校大会/全国中学生大会 男女やり投  新井涼平(スズキ)& 佐藤友佳(ニコニコのり) 新王者の輝き 女子400mH  イブラヒム愛紗(札幌国際大)ほか 躍動!U20世代 女子円盤投  齋藤真希(東京女子体育大)ほか 大会プレビュー 全国高校大会2020 注目選手Close Up 全日本実業団対抗駅伝・全日本実業団対抗女子駅伝 地区大会&予選会 東京五輪スターファイル 第8回 J・インゲブリクトセン(ノルウェー/男子中長距離) 最新ランキング 日本20傑・高校50傑・中学30傑 陸連時報 箱根駅伝予選会&全日本大学駅伝&全日本大学女子駅伝を総力取材 高校駅伝都道府県大会リザルトetc. ご購入はこちら 定期購読はこちら

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