多くのルーキーが活躍を見せた2020年度の大学駅伝。そこで、各大学へのアンケートを基に、進学先が発表となっている現・高校3年生の注目選手を3回に分けて大学別に紹介。2回目となる今回は、箱根駅伝5位の東海大から10位の東京国際大まで。
東海大と東京国際大に13分台ランナーが2人 今年の箱根駅伝でシード権を手にした各校には、好選手がそろった。
全日本大学駅伝で2位、箱根駅伝で5位の東海大には、5000mで13分48秒59の徳丸寛太(鹿児島実高・鹿児島)、13分53秒77の越陽汰(佐久長聖高・長野)と、13分台ランナーが2人。全国高校駅伝では徳丸が“花の1区”で4位、越は準エース区間の3区で日本人2番手の6位で、2年時には2区で区間賞を獲得している。
ほかにも、昨年10月の全国高校大会5000mで3位、高校駅伝1区6位の梶谷優斗(滋賀学園高・滋賀)、14分00秒03の五十嵐喬信(水戸工高・茨城)など実力者ぞろい。今春にはチームをけん引してきた三本柱が卒業するが、頼もしい新戦力が主力級に育っていくだろう。
箱根で10位に入り、初の2年連続シード権を獲得した東京国際大には、13分50秒31の佐藤榛紀(四日市工高・三重)、13分58秒00の白井勇佑(仙台育英高・宮城)と、初めて日本人選手の13分台ランナーが加わる。佐藤は全国高校大会5000mで2位、白井は高校駅伝で2年時に2区区間賞、3年時に7区2位と安定感が高い。また、名門・小林高(宮崎)からは14分02秒80の倉掛響ら3人が加入。20人を超える大量補強で、14分30秒切りが15人もおり、近い将来には駅伝で上位の常連になりそうだ。
全国高校駅伝も2年連続出走している佐藤は東京国際大に。大学駅伝での活躍に期待が懸かる(写真/牛島寿人)U18日本記録保持者の伊藤が早大へ 全日本5位&箱根6位の早大には、2人のトップランナーが入学予定。伊藤大志(佐久長聖高)は、同学年の石田洸介(東農大二高・群馬→東洋大進学予定)に次ぐ高校歴代2位の13分36秒57を持つ。これは2019年までの高校記録を上回っている。早生まれの伊藤はこの記録を出した昨年11月当時17歳で、U18日本記録保持者となった。即戦力として期待は大きい。
1500mで高校歴代3位タイの3分44秒62を持つ石塚陽士(早稲田実高・東京)は、高校生ながら日本選手権の決勝に進んで9位に入った。2年時のインターハイと国体、3年時の全国高校大会ですべて入賞しており、大舞台での安定感がある。
箱根9位で、初めて3年続けてシード権を取った国学院大は、過去最高レベルの補強に成功した。13分48秒89の山本歩夢(自由ケ丘高・福岡)は、国学院大に入学する初の13分台ランナーで、2年時にインターハイ1500mで決勝に進んだスピードも魅力。14分03秒41の平林清澄(美方高・福井)、14分04秒93の中川雄太(秋田工高・秋田)もいる。佐藤快成(埼玉栄高・埼玉)はロードの実績があり、単独走にも対応できる。
箱根で7位に入り、予選会から勝ち上がったチームのなかで唯一、シード権を獲得した順大には、全国高校大会5000m7位の神谷青輝(大牟田高・福岡)、同3000mSCで3位、高校駅伝4区4位の服部壮馬(洛南高・京都)が加入。箱根8位で、チーム史上最長の4年連続シード権を手にした帝京大には、全国高校大会5000m8位、高校駅伝5区区間賞の内藤一輝(洛南高)が加わる。育成力に定評があるチームで、14分30~40秒台の選手たちがどんな成長を見せるか注目したい。
陸上競技マガジン 3月号
大学駅伝2020-2021決算号(陸上競技マガジン3月号増刊)