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2021-03-16

【マラソン】今後への布石打つ快走を見せた佐藤早也伽(積水化学)と松下菜摘(天満屋)

名古屋ウィメンズで2位の佐藤(右)と3位の松下 写真/中野英聡(陸上競技マガジン)

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名門に登場した遅咲きデビューの松下

 第2集団から抜け出したのは、5年ぶり2回目のマラソン、実業団では初マラソンとなった松下菜摘(天満屋)だった。

 動いたのは20km過ぎの給水でのこと。20kmまでが17分45秒と思っていた以上にペースダウンしていた。

「みんな給水でペースが落ちるので、前で走ろうと意識しました。自分で上げるしかないと感じていたので、給水がいいきっかけになりました」

 25kmまでは16分51秒にペースアップ。20~35kmまでは2位の佐藤との差を詰めていった。2時間26分26秒の3位でフィニッシュしたが、風の強さを考えれば、目標としていた2時間24分台を達成したのと同等の価値がありそうだ。

 玉野商高校では岡山県大会止まりだった選手。環太平洋大で山口衛里コーチ(当時、環太平洋大女子駅伝部監督)にスカウトされ、3年時から陸上部に入った。4年時には中国四国インカレ10000mで2位の成績を残している。

 入社後は血液検査で「肝機能の数値」(武冨豊監督)が心配な面もあり、最初は天満屋の練習になかなか対応できなかった。

「入社した頃は練習に波をつけられませんでした。オンオフをつけられるようになって、4年目にマラソンを走ることができました。2回目、3回目で走れないことがないよう、2~3回目も勝負したい」

 5人のマラソン五輪代表を育ててきた武冨監督は「そこまで才能があるとは思わない」と前置きした。天満屋だから育つという見方に釘を刺しながらも、「初マラソンで途中から勇気を持って飛び出した。コツコツと積み重ねることが一番の才能。今日のレースを見てノビシロがあると思った」と評価した。

 26歳は天満屋のなかでは遅咲きの部類に入るが、名門からまた1人、楽しみな選手が出現した。


名古屋ウィメンズのトップスリーは強風を向かい風に受けながら、それぞれが力を発揮した(左から佐藤、松田、松下) 写真/中野英聡(陸上競技マガジン)

文/寺田辰朗

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