5月3日の第105回日本選手権10000m(静岡県・小笠山総合運動公園静岡スタジアム)で東京五輪10000m代表に内定した男子の伊藤達彦(Honda)、女子の廣中璃梨佳(JP日本郵政グループ)、安藤友香(ワコール)の計3名が一明け会見を行い、レースとオリンピックへの抱負を語った。
廣中「世界で戦えるような走りをしたい」――日本代表に内定した感想とオリンピックへの抱負をお願いします。
伊藤「まずコロナ禍の状況で大会を運営してくださった関係者の皆様に感謝したいです。1月のニューイヤー駅伝で大腿骨疲労骨折して一時はあきらめかけましたが、いろいろな方のサポートを受けて内定を勝ち取りうれしく思います。オリンピックでは入賞できるように頑張りたいと思います」
廣中「本当にこのコロナ禍で大会を運営していただき、ありがたく思います。ここまで来るにあたって昨年12月の日本選手権5000m(代表選考会2位/内定条件の優勝に及ばず)での悔しい思いをし、そこからなかなか練習を積むことができず、すごく苦しい日々でしたが、いろんな方々の励ましの声で前を向くことができました。そして新たなチャレンジで今回10000mに挑むことができました。日本選手権では初の10000m出場だったので、先輩の胸を借りながらのレースでしたが、自分らしい走りができたんじゃないかなと思います。ただ、まだまだ世界と戦う上で改善点や課題も多くあるので、世界で戦えるような走りを強化していきたいと思います」
安藤「この大変な世の中の状況のなかこうして昨日大会を開催してくれたことに感謝の気持ちでいっぱいです。私自身、昨年3月の名古屋ウィメンズマラソンで準優勝になり、マラソンでの代表の切符を逃したときから、可能性がある限り、トラックで代表を狙いたいという気持ちがありました。周りの支え、応援があったおかげで、自分らしい走りで代表権を取ることができ、今はうれしい気持ちとほっとした気持ちです。東京オリンピックでは自分ができる最大限の準備をして、今の自分よりさらに成長した姿を見せられるように精一杯頑張っていきたいと思います」
――改めてジャパンのユニフォームを着て何を感じていますか? 昨晩は眠れましたか?
伊藤「ジャパンのユニフォーム着るのは(2019年夏の)ユニバーシアード大会以来、2回目です。(シニアの)代表は目標だったのでうれしく思います。昨晩は興奮してしまってなかなか眠れなかったですし、この会見も緊張しているのですが、この緊張感も日本代表でないと味わえないと感じています」
廣中「日本代表は目標にしていたことでもありますし、それを勝ち取って世界で戦いたいと高校生のときに日本代表を経験してからずっと思っていました。社会人でこのジャパンのユニフォームを着れるのは、今後の自信につながる貴重な経験だと思っています。私も興奮して寝付けなかったが、こうやって会見の場に立てるのも一つの経験。それをまた世界で戦う強さにしていきたいです」
安藤「私はまずオリンピックの日本代表に選ばれることは、今回が初めての経験。今まで経験したこととは違うプレッシャーや緊張、いろんな不安など、想像していないことが起きると思いますが、そういう経験ができることに感謝と、この舞台に立てることに自信を持って、自分の最大限のパフォーマンスができるよう、これから努めていきたい。私もお二方と一緒で眠れなかったんですけど、眠れないこともいい経験かなと思うのでこれを噛みしめてこれから頑張っていきたいと思います」
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