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2021-06-25

【日本選手権】男子100mは多田が初優勝で初の五輪へ!山縣は3位も3大会連続の五輪内定

優勝を決め、雄たけびを上げる多田 写真/中野英聡

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9秒台の自己ベストを持つ選手が4人そろい、史上最高レベルの戦いとなった陸上の第105回日本選手権(大阪市、ヤンマースタジアム長居)男子100m決勝。レースを制したのはスタートから逃げ切り10秒15(+0.2)をマークした多田修平(住友電工)だった。自己ベストは10秒01と9秒台を持っていないが、すでに東京五輪参加標準記録(10秒05)を突破済みのため、代表内定条件となる3位以内で代表内定を決めた。

 6月6日の布勢スプリントで4年ぶりの自己ベストとなる10秒01(+2.0)で走っていた多田。このとき、9秒95の日本新記録を出した山縣亮太(セイコー)に50m付近で逆転されたものの、今季は課題として掲げていた中盤以降の走りはレースを重ねるたびに改善されていた。

 迎えた今大会。24日の予選、準決勝も決勝に余力を残せるようなレースを体現。準決勝後には「今季は試合を重ねていくたびに調子も上がっていて、布勢よりもいい感じの状態になっている」と手ごたえを示していた。

 だが、プレッシャーのかかる大会。前日の予選、決勝と2本走った影響で「今日は足がつりそうなくらい疲労していた」と振り返ったが、決勝ではスタートから飛び出した。決勝進出者中、最速の0.123の最速のリアクションタイムで一歩目を踏み出すと一気に加速。追いすがる有力選手の追撃を許すことなく、フィニッシュラインに駆け込んだ。勝因を問われた多田は「中盤以降の走り」と語ったが、「正直、記憶がなくてこれから確認してどういうところが課題かを確認したい」と、集中していたことも明かした。日本選手権は過去、2017年、同じこの長居の地で行われた大会では2位。地元・大阪での初優勝と、最高の形で五輪切符を手にした。

 2位は大善戦を見せ自己ベストの10秒19をマークしたデーデー・ブルーノ(東海大4年)、今季、9秒95の日本記録を出していた山縣は3位。多田に続き、山縣も代表内定。すでに標準記録を破っていた小池祐貴(住友電工)は4位で10秒27、桐生祥秀(日本生命)は10秒28で5位。自己ベスト9秒97の前日本記録保持者、サニブラウン・アブデル・ハキーム(タンブルウィードTC)は10秒29の6位に終わった。

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