7月28日から9.98スタジアムで始まる陸上の福井インターハイは、下級生にも注目選手が多数出場。そのなかでも優勝を狙える選手をピックアップする。
チュクネレが11年ぶりの2年生V狙う 男子で2年生優勝が期待されるのは、800mの後田築(創成館高・長崎)、走高跳のチュクネレ・ジョエル優人(八千代松陰高・千葉)、走幅跳の深沢瑞樹(東海大翔洋高・静岡)ら。6月下旬のU20日本選手権では、後田が高校歴代7位の1分48秒87、深沢が高2歴代6位の7m72(-0.3)で、共に優勝を果たした。チュクネレは千葉県大会で2m14を跳んで、今季リスト1位。同校顧問の海鋒佳輝先生が、八千代松陰高時代の1989年に樹立した2m20の大会記録更新を目標にしている。優勝すれば、この種目では11年ぶりの2年生チャンピオンとなる。
女子100mHは今季トップ5を2年生が占めている。U20日本選手権2、3位の吉田江梨花、藤原かれん(共に園田学園高・兵庫)がこの種目で12年ぶり3校目のワンツーに挑むが、山田裕未(市船橋高・千葉)が割って入るか。7月3日に千葉県選手権で山田が13秒67(+2.0)を出すと、翌週には兵庫県選手権で吉田が高2歴代3位タイの13秒60(0.0)をマークした。
下級生に勢いのある女子100mH。写真左から、吉田、山田、藤原(写真/毛受亮介、田中慎一郎) 砲丸投の奥山琴未(岡山商大附高・岡山)、円盤投の友利晟弓(那覇西高・沖縄)、七種競技の中尾日香(長田高・兵庫)も優勝候補。14m44の中学最高記録を持つ奥山は、今季は14m35でリスト2位。2年ぶりのタイトルを狙う。友利は3月に45m27を投げてリスト1位。昨年の全国高校大会では1年生優勝を達成しており、全国連覇への思いは強い。中尾は1年時の全国高校大会で2位。6月にはU20日本選手権混成を5007点で制し、翌週の近畿大会で5042点と自己記録を更新、ただ一人、5000点を超えている。
左から中尾、奥山、友利。インターハイ連覇への第一歩となるか(写真/毛受亮介、野中 元)高橋、柳川らが1年生初の快挙へ 例年以上にルーキーの活躍が期待できそうだ。男子八種競技では、昨年の全国中学大会で四種競技2位の高橋諒(桐朋高・東京)が、南関東大会で高1歴代2位の5484点をマークして今季リスト2位につけている。2001年にインターハイ種目に加わって以降、1年生で入賞した選手はおらず、初の快挙を成し遂げる可能性は高い。
女子3000mでは7月17日のホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会で、留学生のカリバ・カロライン(神村学園高・鹿児島)が日本高校国内国際記録の8分47秒85をマーク。この種目初の1年生優勝が有力だ。
棒高跳の柳川美空(前橋育英高・群馬)は、高校歴代5位タイ、高1歴代最高の4m00を持つ。17年にインターハイ種目となって以降、初の1年生優勝なるか。U20日本選手権を高1歴代6位タイの3m85で制した今井葉月(樹徳高・群馬)も、上位入賞を狙えそうだ。
種目初の1年生優勝を狙うのは、(写真左から)八種競技の高橋、棒高跳の柳川、3000mのカリバ(写真/中野英聡、野中 元) 走高跳は全国中学大会優勝の森﨑優希(明星学園高・東京)が、4月に高1歴代4位タイの1m76を跳んでリスト2位。U20日本選手権では優勝した。200mの税田ジェニファー璃美(城西大城西高・東京)は、南関東大会で惜しくも追い風2.1mの参考記録となったが、23秒94をマークして優勝候補に躍り出た。短距離はほかにも、100mで全国中学大会を制した南こはる(奈良学園登美ヶ丘高・奈良)、100m・200mの山形愛羽(熊本中央高・熊本)と坂本実南(和歌山北高・和歌山)、400mの森千莉(豊田大谷高・愛知)などが入賞を目指す。七種競技は下元香凛(白梅学園高・東京)が入賞候補で、全国中学大会で四種競技の中学記録を樹立した林美希(中京大中京高・愛知)も入学前のケガから復帰して調子を上げてきた。
走高跳1m76の森﨑と追い風参考ながら200m23秒台の税田にも注目(写真/中野英聡)