2年ぶりのインターハイが明日、福井県・9.98スタジアムで開幕。大会を盛り上げてくれるであろう注目選手を紹介する。
高校記録保持者2人が出場 大会初日から高校記録保持者が登場する。昨年、女子ハンマー投で高校生史上初の60mスローワーとなった村上来花(弘前実高3年・青森)。今年4月に日本歴代6位の62m88と自身の高校記録(61m02)を塗り替えると、6月下旬の日本選手権ではセカンドベストの62m25で3位に入り、高校生ではこの種目で24年ぶりにメダルを獲得した。「インターハイは高校生が一番輝ける場所」と村上。福井で輝きを放ち、初の全国タイトルを取りに行く。
男子1500mの佐藤圭汰(洛南高3年・京都)は、7月17日のホクレン・ディスタンスチャレンジ千歳大会で日本歴代3位の3分37秒18と、高校記録を22年ぶりに更新したばかり。初日の予選を経て、2日目の決勝でどんなレースを見せるか注目される。佐藤は5000mでも、高校歴代4位の13分42秒50を持つ。強力な留学生がいるなか、高校記録の13分34秒74に近づけるか。
世界リレー代表の栁田らに注目 男子100mの栁田大輝(東農大二高3年・群馬)は、5月にポーランドで行われた世界リレーに日本代表として出場し、4×100mRのアンカーを務めて3位入賞に貢献。日本選手権では9秒台を持つトップスプリンターがそろったなか、2年連続7位に入賞。準決勝では高校歴代2位タイの10秒22(±0.0)と快走した。日本人初の9秒台が誕生した「9.98スタジアム」で、自己新Vを飾りたい。
男子3000mSCの黒田朝日(玉野光南高3年・岡山)は、日本選手権と併催のU20日本選手権で高校歴代2位の8分39秒79をマーク。東京五輪代表で、日本記録保持者の三浦龍司(順天堂大2年)が洛南高時代に樹立した高校記録まで0秒42に迫った。玉野光南高時代の1999年に、同種目を制した父・将由さんと親子優勝が懸かる。
高校歴代2位を持ち、自己記録更新に注目が集まる男子100mの栁田(右)と男子3000mSCの黒田(左)(写真/毛受亮介、田中慎一郎) 男子ハンマー投の小河彪(久居高3年・三重)は、U20日本選手権で高校歴代7位の66m82を投げた。すでに大会記録の65m98を上回る自己ベストを持ち、高校記録(68m33)更新を狙っている。近畿勢を中心に激戦が予想される女子三段跳では、U20日本選手権を制した三木麗菜(姫路商高3年・兵庫)が7月に高校歴代7位の12m80(+1.4)を跳び、高校記録の12m96に近づいてきた。男子棒高跳の原口篤志(王寺工高3年・奈良)は、7月22日の記録会で高校歴代5位の5m31をクリア。好調を維持してインターハイ本番を迎えたい。
高校記録に近づいてきた3人。左から、女子三段跳の三木、男子ハンマー投の小河、男子棒高跳の原口(写真/毛受亮介、松村真行) 河内らが複数種目制覇に挑む 近畿大会で女子400m、800m、400mH、4×400mR(4走)の四冠を獲得した河内瀬桜(東大阪大敬愛高3年・大阪)は、福井でも多種目で躍動しそうだ。「特に400mとマイルは負けたくない」と、思い入れが強い。400mでは54秒27、400mHでは高校歴代6位の58秒01で、共に今季リスト1位。800mと4×400mRは、昨年の全国高校大会で優勝している。
男子110mHと400mHは、高橋遼将(中京大中京高3年・愛知)が史上5度目の二冠に挑む。1年時のU18日本選手権では、110mJHと300mHで優勝。今季はケガで出遅れていたが、6月に400mHで50秒65と自己記録を更新した。「二冠を取って、ハードル種目のトップだと胸を張って言えるように」と決意を語る。昨年の全国高校を制した4×400mRも優勝を目指しており、主将としてチームを23年ぶりの総合優勝に導くつもりだ。
走幅跳と三段跳の北川凱(東海大翔洋高3年・静岡)は、17年ぶり10人目の二冠を狙う。走幅跳の自己記録は高校歴代7位の7m81で、三段跳も仕上がりは順調。高校生初の8m&16mダブル達成が目標だ。
複数種目での優勝が懸かる3人。高橋(左)、河内(中)、北川(右)共に全国優勝経験のある実力者(写真/毛受亮介、松村真行)