1996年9月11日、UWFインターナショナル神宮球場大会に全日本プロレスの川田利明が参戦。髙山善廣とシングルマッチで対戦した。 全日本プロレスは約6年ぶりとなる“開国”。川田参戦が大きな話題となり、観衆は4万1087人の超満員。爆発的な期待感が神宮球場を包んでいた。
川田は「顔、硬かったでしょ? ダメだね、考えすぎると」と試合後に振り返っていたが、戦前からガチガチに緊張していた。ルールは通常のプロレスルール。ゴングが鳴ると川田は緊張を解きほぐすように足の屈伸運動を始めた。
髙山がキック、手刀、水平チョップを放ってくると、川田は張り手から思い切りのいいタックルでグラウンドに持ち込み、馬乗りになって後頭部にエルボーを落とす。顔面へのステップキック3連発、腕ひしぎ十字固め狙いを切り返して、腕を取り、アキレス腱固めは顔面への蹴りで脱出。川田らしさと“U”への対応を織り交ぜながら、試合を進めていく。
当時はUインター期待の若者というポジションだった髙山もスリーパー、ニーリフト3連発、キックで応戦。豪快なジャンピング・ニー&ジャーマンの連続攻撃、川田に触発されたのか、珍しくフロント・ハイキックも繰り出した。
最後は川田がジャンピング・ハイキック4連発で勝利。川田は初めてとなる他団体参戦でも自身のファイト、全日本プロレスのプロレスを貫いた。