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2021-09-12

【アメフト】電通がBULLSに圧勝 柴崎・多川・坂梨「QBトリオ」とWR小貫が躍動

【電通 vs BULLS】第2Q、電通QB多川からのパスを捕り、ランアフターキャッチでTDを奪うWR小貫=撮影:小座野容斉

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アメリカンフットボールのXリーグ「X1エリア」は、9月11日、東西の会場で第2節の4試合を行った。電通キャタピラーズとBULLSフットボールクラブの一戦は、電通がBULLSに完勝した。

電通キャタピラーズ○43-7●BULLSフットボールクラブ
(2021年9月11日、富士通スタジアム川崎)

 電通が力の差を見せつけて圧勝した。
 第1クオーター(Q) 1分、野村周作の60ヤードパントリターンタッチダウン(TD)で先制。同4分にはQB柴崎哲平からWR小貫哲に24ヤードのTDパスが決まった。第2Q開始早々にも柴崎からWR佐藤凱輝にTDパスが決まって、21-0とBULLSを突き放した。
その後電通は、替わったベテランQB多川哲史がランでTD。BULLSもRB井上耀介が63ヤード独走TDで7点を返すが、電通は多川が小貫に14ヤードのTDパスを決めて(エクストラポイントは失敗)、34-7で折り返した。
 電通は第3Q10分にセーフティーで2点を追加すると第4クオーター終盤にもQB坂梨陽木がランTD。最後まで攻撃の手を緩めなかった。

【電通 vs BULLS】第1Q、電通のリターナー野村がパントリターンTDで先制する=撮影:小座野容斉
【電通 vs BULLS】第1Q、電通のリターナー野村がパントリターンTDで先制する=撮影:小座野容斉

「ルートランは負けない」院生Xリーガー、WR小貫が能力発揮

 第1節では、第4クオーターの逆転劇で、ディアーズに痛恨の1敗を喫した電通が、この試合ではオフェンス力を発揮してTDを積み重ねた。原動力は、三者三様の能力を持ったQBだ。

 エースの柴崎はコントロールの良いパスをオンタイミングで決める。控えの多川は、経験豊富で、高いラン能力に加え、QBケビン・クラフト(現IBMヘッドコーチ)仕込みのパスも魅力だ。そして坂梨は、ランニングQBとして、オフェンスのチェンジオブペースとなっている。

 X1スーパーでも十分に通用しそうなQBトリオの能力を、今季さらに引き出しているのがルーキーWRの小貫哲だ。この日は6レシーブ109ヤードで2TD。前節のディアーズ戦でも87ヤード1TDと、2試合続けてチームトップのパスレシーブを記録した。

 早稲田大学のエースレシーバーとしてブレナン翼(現パナソニック)の後を継いで、勝負強い捕球を見せてきたが、卒業後、Xリーグでプレーする上で電通を選択した。

 「(チームは)QBで決めました」と小貫は言う。柴崎は1学年上。坂梨は3学年上で、早大でも一緒にプレーした。高校(都戸山)からの経験者で、下級生時代から出場の機会が多かった小貫は2人のプレースタイルをよく理解していた。

 この日もチーム最初のオフェンスシリーズで、柴崎から28ヤードのミドルパスで敵陣に大きく攻め込むと、左のアウトサイドスクリーンパスで、あっさりTDを奪った。第2クオーターには、多川からフラットパスを捕ると、巧みなカットを踏んでBULLSのタックラーを3人ほど抜いてTDとした。

 169センチ70キロとレシーバーとしては小柄。先輩のブレナンのような体格や運動能力に恵まれているわけではない。対戦相手のDBをブレークするようなパスプレーは少なく、捕球した後には周囲にディフェンス選手がいるのが当たり前だ。

【電通 vs BULLS】第1Q、電通QB柴崎のパスを捕って28ヤードをゲインするWR小貫=撮影:小座野容斉
【電通 vs BULLS】第1Q、電通QB柴崎のパスを捕って28ヤードをゲインするWR小貫=撮影:小座野容斉

 ただ、「パスルートを走ることに関しては誰にも負けない」と自負する通り、正確なルートランニング、タックルを振り切るアジリティ、そして時として見せる力強いスティフアームが武器だ。

 今春に早大教育学部を卒業し、現在は創造理工学部の大学院生。忙しい勉強の合間を縫ってジム通いも欠かさない。院生とXリーガーの両立は、IBMのQB政本悠紀がお手本だ。政本も、早大創造理工学部の大学院に通いながら、クラフトの技術・戦術を吸収し、XリーグトップクラスのQBにまで育った。

 先輩の待つX1スーパーでプレーするため。この後も、気の抜けない試合が、小貫と電通オフェンスを待っている。
【電通 vs BULLS】第1Q、電通QB柴崎からのスクリーンパスでTDを奪うWR小貫=撮影:小座野容斉
【電通 vs BULLS】第1Q、電通QB柴崎からのスクリーンパスでTDを奪うWR小貫=撮影:小座野容斉

【小座野容斉】

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