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2021-09-21

【相撲編集部が選ぶ秋場所10日目の一番】宇良、大健闘も、照ノ富士が1敗守る

照ノ富士の上手投げをブリッジの体勢から立ち上がろうとした宇良だったが……

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照ノ富士(上手投げ)宇良

9日目を終えて優勝争いは1敗で照ノ富士が単独トップ、2敗で阿武咲、隠岐の海、妙義龍、遠藤、千代の国の平幕5人が追う展開。10日目は千代の国が敗れ、残り4人は直接対決で、妙義龍と阿武咲の2人が2敗を守った。

前日に初黒星を喫したとはいえ、照ノ富士の優位はまったく動かない。この日は宇良との初対決を迎えた。ともにケガなどで序二段まで落ち、奇跡的な復活を果たした両者。結びの一番は宇良の頑張りで大いに盛り上がった。

立ち合い、仕切り線から離れて手をつく宇良。頭から低く当たると右を差してしまい、照ノ富士に抱え込まれる。宇良はこれを振りほどこうと右から肩透かし。照ノ富士は両手でロックして、宇良の右手を抜けさせない。宇良はもう一度肩透かしにいき、ここで右はハズにかかった。頭をつけて機をうかがう宇良。右手で照ノ富士の左足を取りにいくが、左から起こされて体が離れる。

しばらく見合ったのちに宇良が飛び込んで右ハズ、左で相手の手を握って頭をつける。照ノ富士はあまり動かず、じっくり構えた。1分過ぎ、宇良は再び右手を伸ばして左足を取りにいくが取れず、ここで右を深く差す形になってしまった。照ノ富士は左から抱え込むと左手を伸ばして肩越しに上手を取った。

照ノ富士は左上手を引きつけて宇良の上体を起こし、左から強烈な上手投げ。宇良は裏返ったが、右下手を離さずブリッジの体勢から立ち上がろうとする。そこを照ノ富士が左手で押しつぶした。決まり手は投げで勝負あったということで上手投げ。1分31秒の大熱戦に館内は割れんばかりの拍手に包まれた。

大健闘の宇良は、「全然かないませんでした」と第一声。力を出し切ったのではと聞かれると、「出し切ったというか、感覚的には横綱が受け止めてくれたって感じです。いろいろ仕掛けたけど、どれも通用しなかったので強いなあと思いました。上手投げはものすごいパワーでしたね」と脱帽。

「横綱に上手を取られたときに、ため息が聞こえてきて、どよーんって落ち込みましたね。まあ、プラスに考えれば、ボクを応援してくれてたんだなって、今日は特に感じました。横綱戦というよりも、結びが取れたことがうれしかったです」と笑顔も見せてくれた宇良。国技館を訪れたファンは、最後に面白い相撲が見られたと満足して帰ったことだろう。

文=山口亜土

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