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2021-09-22

【相撲編集部が選ぶ秋場所11日目の一番】関脇・御嶽海、勝ち越しを決める

大栄翔が引いたところを御嶽海が一気に前に出て押し出しで完勝、3敗を守るとともに勝ち越しを決めた

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御嶽海(押し出し)大栄翔

11日目を終えて照ノ富士が苦手の髙安を土俵下に吹っ飛ばして1敗を守り、単独トップは変わらず。今場所は髙安に元気がない。元横綱稀勢の里の荒磯親方が独立して、稽古相手がいなくなったことが大きいのだろう。

2人いた2敗力士は阿武咲が敗れて、平幕の妙義龍ただ1人となった。3敗力士に目を向けると、正代、御嶽海、阿武咲、隠岐の海、遠藤、千代の国の6人。この中で役力士は正代、御嶽海だけで、まだ照ノ富士との対戦を残している。優勝争いを面白くするためには、この2人の頑張り次第なので、11日目は御嶽海を取り上げたい。

この日の対戦相手は、照ノ富士から金星を奪った大栄翔。対戦成績は突き押し相撲に強い御嶽海が10勝6敗と勝ち越しているが、好調なだけに侮れない相手だ。

立ち合い低く当たり合った両者。踏み込みは互角も、御嶽海が右のおっつけを効かせて一歩攻め込む。大栄翔もすぐに突き返して挽回するが、すぐに引いてしまい、そこを御嶽海がついていって一気に前に出た。押し出して御嶽海の完勝。勝ち越しも決めた。

「終始、自分の相撲だった。前に出る意識で体が動いてくれた。手が伸びて足も出た」と御嶽海は自画自賛。11日目の勝ち越しについては、「もっと早く勝ち越したかった。負けた3番は勝てた3番だと思うので、もったいない相撲もありました」と満足はしていない。

「目標は二ケタなんで、勝ち越してホッとはしてられない。前に出る相撲を取っていけば白星につながると思うので、集中していきたい」と気持ちを引き締める。

照ノ富士とは2差がついているが、優勝争いについて聞かれると、「横綱は負けないと思うので、ボクも負けないようについていくしかない。最近は横綱に負けているけど、秘策があるので倒したい。作戦? 秘密ですよ」と意気込む。

照ノ富士との対戦は13日目に予定されている。どんな作戦なのか、当日を楽しみにしよう。

文=山口亜土

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