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2021-10-08

11年8カ月前に誓った「倍返し」の舞台は整った! N-1覇者・中嶋勝彦が丸藤正道のGHCヘビー級王座にNOAH10・10大阪で挑戦【週刊プロレス】

丸藤正道にバックドロップを仕掛ける中嶋勝彦(2010年2月11日)

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 中嶋勝彦にとってずっとずっと待ち望んでいた一戦がNOAH10・10エディオンアリーナ大阪大会で決まった。丸藤正道とのGHCヘビー級選手権だ。

 10・3後楽園大会で中嶋は武藤敬司、藤田和之、船木誠勝らレジェンド&大物他団体勢がエントリーして大いに話題となったNOAHのシングルリーグ戦「N-1 VICTORY 2021」を制覇。史上初となる連覇という偉業を成し遂げた。
 
 N-1覇者は10・10大阪大会で丸藤の持つGHCヘビー級選手権への挑戦が事前に決まっていた。試合後、中嶋は「やっとアナタのところまで来ましたよ」とマイクで語っていたが、過酷なリーグ戦を勝ち抜いた以上の意味合いがその言葉の中にはある。
 
 中嶋が丸藤と初めてシングルマッチをおこなったのは、2010年2月11日、佐々木健介率いるDIAMOND RING後楽園大会だった。中嶋はDIAMOND RINGの若大将。NOAHのエース・丸藤は同年の新日本プロレス1・4東京ドーム大会でIWGPジュニアヘビー級王座を奪って、外敵王者としての新日本プロレスのジュニア戦線の中心にいた頃だ。

 試合は接戦となったが、最後は丸藤がタイガー・フロウジョンで勝利。DIAMOND RINGの若大将を「人類最強の21歳」に認定した。
 
 敗れた中嶋は「強いです。もう純粋に悔しい。でも、丸藤選手を倒すまではNOAHに上がり続けます。ボクのスタンスはやられたらやり返す。もちろん倍でね」と語った。その言葉通り、中嶋はNOAHでの闘いに比重を置くようになり、ジュニアで活躍後に丸藤の後を追うようにヘビー級に転向。2014年7月21日、博多スターレーン大会で丸藤のGHCヘビー級王座に挑戦した。

 結果は敗北。鋭利な逆水平チョップで胸板を切り裂かれながらも奮闘したものの、またしても丸藤の牙城は超えられなかった。

 3カ月後の「グローバル・リーグ戦」公式リーグ戦で中嶋は右ハイキック→ダイヤモンドボムという必殺フルコースで丸藤からシングル4戦目にして初めて勝利。試合後には「ずっと狙ってきた人なので勝ててよかったです」と語った。

 両者の関係性に大きな影を落としたのが中嶋が2016年10月に杉浦貴を破って、GHCヘビー級王者となった時である。同年1月1月にNOAH所属となり、新時代の旗手としてベルトを巻いた。タイトルマッチで“NOAHの象徴”丸藤の挑戦を退けたいという思いが沸いてくるのも当然だ。

 中嶋はことあるごとに丸藤に対する意識を包み隠さずに言動で示しながら挑戦を待った。鈴木みのる、マサ北宮、杉浦、潮崎豪、モハメドヨネ、小峠篤司、ブライアン・ケイジ…。防衛記録をV7まで伸ばしたが、意中の男は現れない。

 今年8月に当時の思いを中嶋に確認してみると「オレがチャンピオン時代、丸藤はスカしてたんだよ。丸藤と杉浦はNOAHの大黒柱。当時はベルトを懸けて、2人を倒せば、時代を築けると思ってたし、オレはそれを強く願ってた。でも、丸藤はオレのことを『まだ顔じゃねぇ』と思ってたんじゃないの」と唇をかんだ。しかも、自身がGHCヘビー級王座から陥落した2017年8月26日、新王者となったエディ・エドワーズの初防衛戦に名乗りを上げたのが丸藤。中嶋は「アレは屈辱だった。丸藤はそういう嫌らしさを時々見せるんだよ」と運命のイタズラを恨んだ。

 中嶋は2018年10月、2020年10月とシングルマッチで丸藤に勝って、現在3連勝中だが、やはりタイトルマッチで3カウントを奪っていないことは心残りとしてしっかりと残っていた。

「オレは大阪にすべてを懸けるよ」
 
 10月10日、NOAHエディオンアリーナ大阪大会のメインイベントは丸藤との7年3カ月ぶりのタイトルマッチ。中嶋にとって一世一代の大勝負になる。
 
 11年8カ月前に誓った「倍返し」の舞台は整った。中嶋はずっと追いかけてきた丸藤をタイトルマッチで初めて破って、4年2カ月ぶり2度目のGHCヘビー級王座戴冠を果たす。
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