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2021-12-13

【ボクシング】井上尚弥は、どの試合でも新しい。12・14は一瞬たりとも目を離すな!

2年ぶり日本凱旋ファイトに向け、調整に余念がない井上尚弥

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14日、東京・両国国技館で行われるWBA・IBF世界バンタム級タイトルマッチ。2年ぶりの日本凱旋ファイトで6度目の防衛戦に臨むチャンピオン井上尚弥(28歳=大橋)と、IBF5位の挑戦者アラン・ディパエン(30歳=タイ)の対決に見てほしいのは、井上尚弥という「モンスター」が無限の強さに挑む、その姿である。

 井上尚弥は、どれほど優れたボクサーなのか? 熱心なファンから、ボクシングのことをほとんど知らない人たちまで、彼の試合を見た人が今、感じていることがすべて。とにかくすごいのだ。何がすごい? 毎回、新しい井上尚弥を見せてくれるからだ。

 3年前、バンタム級で3階級目の世界王者になったジェイミー・マクドネル戦は、10センチ以上も背が高い相手を大振りの左フックで切り崩し、2度のダウンを奪ってTKO勝ち。真の階級世界一を決めるワールドボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)の初戦では、タフネスが自慢のファン・カルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を右一撃で半失神させた。続いて、準決勝のエマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦では、死角をズバリと探し当て、左ストレートの軌道に近いフックで倒すと、すぐさまボディブローで仕留めた。




 その次が、WBSS優勝を決めたスーパースター、ノニト・ドネア(フィリピン)との大激闘だ。その後はラスベガスで2連勝。ジェイソン・マロニー(オーストラリア)を軌道距離30センチにも届かない鋭利な左フックで倒した後、右カウンターで粉砕した。最新のマイケル・ダスマリナス(フィリピン)戦では、警戒しきった相手を左のボディブローで撃沈させた。

どの井上尚弥も新しかった。どの試合でも、それまでに見せたことのない必殺パンチで相手を降参させてきたのだ。パウンドフォーパウンド、つまり全階級を通じたランキングでは、アメリカのスポーツ専門放送局『ESPN』が3位、90年の歴史を誇るアメリカのボクシング専門メディア『リング』が4位に評価。ナオヤ・イノウエの才能は、世界でも極めて高く評価されている。

2年ぶりの日本凱旋試合。久々に生で見られる井上の強さは、どれほどのものか? 挑戦者ディパエンは、長いムエタイ(タイ式ボクシング)経験を活かし、間合いをうまくとりながら戦う強打者。長い距離で打ち込む左フックは鋭く、まさかりのような右パンチは迫力満点だ。井上とはキャリア、スピード、技術、パワーで格段の差があると見られているが、危険な相手であるのは間違いない。見所は、井上がどんな技でノックアウトに打ち取るか。ゴングが鳴ったら、一瞬たりとも目を離してはいけない。そしてこの試合の後も、さらなるビッグマッチに突き進む井上尚弥を見つめ続けていってほしい。

挑戦者アラン・ディパエンは12勝11KO2敗のハードパンチャーだ(写真提供/大橋ジム)
挑戦者アラン・ディパエンは12勝11KO2敗のハードパンチャーだ(写真提供/大橋ジム)

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