大みそかに井岡一翔(志成)が持つWBO世界スーパーフライ級タイトルに挑戦する同6位のチャレンジャー、福永亮次(角海老宝石)が24日、角海老宝石ジムで公開練習を行った。試合時には35歳4ヵ月の福永が勝てば、世界タイトル獲得時の日本男子最高齢の記録になる。なお、この試合のチケットは25日午前10時より、チケットぴあで販売開始となる。 披露したのはシャドーなど3ラウンドほど。いずれもごく軽めながら、長身から打ち込む左ストレートは、鈍い破裂を音を立ててドラムミットをたたいていた。これまでの15勝のうち14勝をKOで決めてきたハードパンチャーの片りんが見えた。
「あとは軽い実戦練習をこなしながら、疲労をとっていくだけです」
本来、新年15日に試合をやるはずだったにしろ、2週間の前倒しになるのだから、急ごしらえになるのは仕方ない。しかし、福永は初めての世界挑戦を全力で楽しんでいるように見える。
「わくわくしていますし、そのほかのすべての感情があります」
井岡の強さに敬意をもっている。10月に不敗の梶颯(帝拳)に苦しめられながらも判定勝ち。東洋太平洋、WBOアジアパシフィック、日本と当時保持していた3つのタイトルを守った試合後に、「まだまだ遠くですが、井岡選手の背中が見えたかな」と言っていたものだ。
「すべてに気をつけなければいけないでしょうね。(井岡の)すべてが一流ですから」
その尊敬する相手がこう言い放ったという。世界戦の厳しさ、苦しさをリングの中で分からせてみせる、と。
「分からせてもらいましょうか」
きっぱりとはじき返した福永の言葉が心地いい。飾ることはない。等身大の自分で戦って、どこまでできるのかを証明してみせましょう。
「熱く、感動的な戦いにします。そして、最後は僕の手が挙げられています」
写真◎加茂佳子