close

2022-01-08

「時はすべての裁判官」アントニオ猪木が語るモハメド・アリ戦の真実<1>【週刊プロレス】

試合後のアントニオ猪木とモハメド・アリ

全ての画像を見る
 旗揚げ50周年を迎えた新日本プロレスの記念イヤーが1・4東京ドームでスタートした。創始者であるアントニオ猪木は昨年、難病と闘う姿が特集されるなど体調が心配されたが、東京ドーム大会のオープニングでビデオメッセージが流され、回復している姿にホッとしたファンも多いだろう。

 過去には後楽園球場や大阪球場など、スタジアム進出は果たしているが、1989年4月24日、プロレス興行として初の東京ドームに進出した新日本。それもまた猪木のチャレンジ精神の表れでもある。それ以上の大勝負ともいえるのが、1976年6月26日、日本武道館で行われた格闘技世界一決定戦、アントニオ猪木vsモハメド・アリ。

 日本でプロレスがスタートして70年近くになるが、プロボクシングのヘビー級現役世界王者がプロレスのリングに上がったのはただ一度。“世紀の一戦”といわれ、日本だけでなく世界中に衛星生中継されるほど注目度は高かった。「世紀の凡戦」と評されたが、裏事情が明らかになるにつれて評価は変わっていったのもこの一戦の特徴。一方で猪木は、アリと闘った男として世界的に知られるようになった。それらを含めて、アリの対角線に立った猪木はどのようにとらえていたのか。
※週刊プロレス2009年2月18日号(No.1459掲載)

 アントニオ猪木の闘いの歴史の中で欠かすことができないモハメド・アリ戦。挑戦状を叩きつけた当初は「売名行為」とまでいわれた。話題となった一戦は猪木が終始、寝て闘ったことでこれといった見せ場はなく、翌日の新聞には「世紀の凡戦」「茶番」の見出しが躍った。しかしのちに、猪木の格闘技人生にとってひとつのハイライトとなった。

猪木「なかなかそれを認める気にはならなかったけどね。『時はすべての裁判官』じゃないけど、時が過ぎたことでいろんなものに感謝できたり、この闘いによって俺自身が世界に出ていけたり。闘った直後はそういう余裕がなかったんで、そう思えなかったけど。彼が照れ隠しで言った『あれ(猪木戦)はジョークだ』という一言が一番大きかったね。『ジョーク』っていうのは真剣じゃなかったっていうことで。じゃあ、『真剣じゃなかったのに、どうして1カ月も病院に入らないといけなかったの?』とかいろんなことになるんだけど」

 猪木は汚名を背負いながらその後を闘うことになった。それを救ったのは日本ではなく、アリの本国であるアメリカのメディアだった。

猪木「残念ながらアリという男の影響力の違いというか、向こうが言った一言が世界に広がって、俺の言葉はなかなか伝わらないっていう中で、ニューヨーク・タイムズが一面を割いてくれて、あの一戦の検証というか、俺の言い分をそのまま掲載してくれた。アメリカっていうのはある意味で、いろんな考え方がある。日本だとどうしても一方の考え方だけでとらえられてしまうんだけど、アメリカにはそうでない部分があって、それで救われたかなと」

 猪木がアリと対面したのは決戦3カ月前にニューヨークでおこなわれた調印式の席上。初めて目の当たりにしたとき、どんな印象を持ったのか。

猪木「テレビ撮りだったこともあったし、俺も世界の舞台に立つという緊張感もあって、試合の前の駆け引きで『お前なんか怖くない』などと言い合ったりして。自分の中にある不安な部分をいかに隠すかという方に意識は向いていたから。もちろん向こうもそうなんだろうけど」
(つづく)

送料無料通販!

週刊プロレスNo.2160(2022年1月19日号/1月7日発売) | 週刊プロレス powered by BASE

 2022年最初の今週号の表紙は新日本東京ドーム2連戦で連勝を飾り、IWGP世界ヘビー級王者となったオカダ・カズチカです。年始恒例となった日本プロレス界最大イベントは巻頭カラーから詳報。IWGP世界ヘビーほかタイトルマッチ、スペシャルシングルマッチを中心にリポート。 NOAHはプロレス界初となる元日の日本武道館大会を開催。同大会を6日発売の増刊号とは別の視点でリポート。またGHCジュニアタッグ、潮崎vs清宮など注目カードがおこなわれた4日後楽園大会も詳報。 スターダムは年末に両国国技館でビッグマッチ開催。朱里が林下詩美をついに下して悲願の赤ベルト=ワールド・オブ・スターダム王座奪取。白ベルトのワンダー・オブ・スターダム王座も上谷沙弥が中野たむを下し、スターダム2大王座が動いた注目大会のほか、ドンナ・デル・モンドに新戦力が加入した年明け新宿大会もリポート。 全日本の年明けは新春恒例2&amp;3日の後楽園大会から始動。年末にジェイク・リーが負傷し、返上となっていた三冠王座に4選手が名乗りをあげるなど創立50周年のスタートから大きな動きあり。 そのほか年末年始のプロレス界注目大会徹底追跡で18団体30大会をリポート。ドラゲー福岡、DDT代々木、GLEAT・TDCホールなどビッグマッチは目白押し。【注意】発送後の返品・返金は原則不可とさせていただきます。送料は無料ですが、第三種郵便での発送となります。また、事前に購入されても発売日にお届けすることは、お約束できません。ご了承ください。

shupuro.base.shop

橋爪哲也

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事

RELATED関連する記事