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2022-01-29

【NFL】王朝目指すチーフス ベンガルズが付け入る隙はあるのか AFCチャンピオンシップ展望

チーフスのQBマホームズと、ベンガルズのQBバロウ=photo by Getty Images

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米プロフットボール・NFLは、現地1月30日(日本時間31日)に、AFCとNFCのチャンピオンシップがある。スーパーボウル進出を懸けて4チームが激突する。AFC、NFCそれぞれのゲームを展望する。(写真はすべてGetty Images)
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シンシナティ・ベンガルズ@カンザスシティ・チーフス
アローヘッドスタジアム(カンザスシティ)
1月30日午後3時(日本時間31日午前5時)キックオフ

チーフスは4年連続のAFCチャンピオンシップ進出、すべてホーム開催というのは、NFL史上初。今回勝ってスーパーボウルに3年連続出場となれば、これも2017~19年シーズンにかけてペイトリオッツが達成して以来となる。NFLの新しいダイナスティ(王朝)と言える存在になるかどうか、この試合にかかっている。対するベンガルズはAFC第1シードのタイタンズを破った勢いに乗る。エースQBジョー・バローは2年目、25歳。1989年1月以来、チーム史上3度目のスーパーボウルにたどり着けるか。
 チーフスは、「NFL史上最高」のディビジョナルラウンドゲームを勝ち切った。しかし、ベンガルズには、4週間前の第17週に34-31で敗れている。チーフス対ベンガルズの過去の対戦成績は、ベンガルズの16勝14敗。プレーオフでは今回が初対戦となる。
3年連続スーパーボウル出場を目指すQBマホームズ=photo by Getty Images
【注目のデータ】
・ベンガルズは、創設以来54シーズン
レギュラーシーズン12勝以上3回、ポストシーズン7勝14敗、スーパーボウル出場2回(0勝2敗)

・チーフスは、アンディ・リードHC指揮下・QBマホームズが先発の4シーズン
レギュラーシーズン12勝以上4回、ポストシーズン8勝2敗。スーパーボウル出場2回(1勝1敗)


・チーフスはプレーオフ2戦とも42得点、1990年のビルズ以来、連続で40点以上を獲得したチームとなった。

・ベンガルズ(2020年4勝11敗1分)は、前シーズン4勝以下で、カンファレンスチャンピオンシップに進出した。過去35シーズンで7チーム目。

・ベンガルズはカンファレンスチャンピオンシップで負けたことがない2チームの1つ。もう1チームはジャイアンツ。

・チーフスは、QBパトリック・マホームズを起用したポストシーズンの試合は、1試合平均33.2で、NFL史上最高(5試合以上のチームで)。
「アンダードッグ扱いはうんざりだ」というQBバロウ=photo by Getty Images 2/5  「アンダードッグ扱いはうんざりだ」というQBバロウ=photo by Getty Images=photo by Getty Images
マホームズのランと、レシーバー陣のランアフターキャッチ

ベンガルズがタイタンズを19-16で破った後、QBバロウは、ベンガルズはもはや「シンデレラ」ではないと公言した。
「アンダードッグだという評価にはうんざりしている。」
「我々は本当に良いチームだ。我々は存在を示そうとしているし、多くのチームは我々に注目しなければならない。我々は本当に良いチームで、良い選手とコーチが揃っていて、全てを手に入れようとしている。」
その言葉を証明するには。ポストシーズンで大活躍しているマホームズを倒す必要がある。

マホームズは、プレーオフ2試合でパス782ヤード、8タッチダウン(TD)、わずか1インターセプト(INT)、QBレーティング131.7を記録。さらにランでも98ヤード1TD。シーズン序盤から中盤にかけてのスランプから脱却したとみてよい。
ビルズ戦では、QBキープが効果的だったチーフスQBマホームズ=photo by Getty Images
 米紙USA Todayの電子版によると、チーフスオフェンスのカギを握るのは、レシーバーのランアフターキャッチと、マホームズ自身のキーププレーだという。

 マホームズは今季、セーフティーが2枚、ディープゾーンを守る2ディープのカバレッジに対して苦戦した。RBクライド・エドワーズヒレアーが負傷して、ランオフェンスが進まなくなったため、相手チームはますます2ディープを多用するようになった。

 第17週のベンガルズ戦では、マホームズのパスは259ヤードに抑えられたが、ベンガルズが2ディープで守った時、マホームズのパスは11/17でわずか80ヤードだったという。

 ディビジョナルラウンドでも、マホームズはパスアテンプトの92%でビルズの2ディープカバレッジに直面した。しかし、パス29/38、344ヤード、2TDを記録した。
リーグ最速、驚異のランアフターキャッチを見せるWRヒル=photo by Getty Images
 NFLのネクストジェネレーションスタッツによると、マホームズはこの試合で、20ヤード以上のパスを6本決めたが、WRタイリーク・ヒルに決めた64ヤードのTDパスも含め、ランアフターキャッチで稼いだ。エアヤード(実際に空中を飛んだ距離)20ヤード以上のパスが1本も成功せず、これはキャリアで初めてのことだった。加えてマホームズは、この試合で6回走ってキャリアハイの69ヤードを記録した。

WRチェイスを止められるか? Sマシューは出場できるか?

 NFLで最もダイナミックな2人のレシーバーが対戦する。チーフスのWRヒルは、NFL最速の男。いつでもそのスピードを発揮する。ビルズ戦で64ヤードTDを含む150ヤードのパスをキャッチ。45ヤードのキックオフリターンも記録した。レギュラーシーズンではAFC最多の111キャッチ、プレーオフでも2試合で207ヤード、2TDでチームを牽引している。

ベンガルズのWRジャマ―・チェイスは、ルーキーの範疇を超えたスーパーレシーバーだ。第17週の対戦では、11回のキャッチで266ヤードのレシーブ。65ヤード以上のTDパスを2本キャッチ、平均24.2ヤードという驚異的な数字を叩き出した。3rdダウン27ヤードで30ヤードのパスをレシーブし、ドライブを継続させた場面もあった。
=photo by Getty Images
 チェイスはプレーオフでは2試合連続で100ヤード以上をレシーブ、ヒルよりも多い225ヤードを記録していまる。ディフェンスがパスを抑える最も有効な手段の一つは、QBへのプレッシャーだが、ベンガルズは、ワイルドカードではQBバロウが9サックを浴びながら、1INTに留めて、ファンブルロストも起こさなかった。
 チーフスのパスディフェンスは、ビルズの3番手WR、ガブリエル・デービスにフィールドを走り回られ、NFLプレーオフ記録となる4TD、201ヤードのパスレシーブを許してしまったばかりだ。

 チーフスディフェンスで気になるのは、Sのタイラン・マシューの状態だ。ビルズ戦の序盤で、味方のデイフェンス選手と接触し、脳震盪プロトコルに入っている。ビルズのデービスが「野放し」になってしまったのは、マシューの途中退場も大きかった。

 最新のレポートでは、マシューは金曜日の練習に参加し、フルメニューをこなしたという

ターンオーバーは?

 プレーオフ2試合で、ベンガルズのターンオーバーマージンはプラス4で、AFCトップだ。一方、チーフスのターンオーバーマージンはマイナス1。

 しかし、レギュラーシーズン中は、チーフがNFL5位タイの29回(15INT、14ファンブルリカバー=FR)のテークアウェイを記録した。一方ベンガルズは17位タイの21テークアウェイ(13INT、8FR)。

 両チームQBは、共に、シーズン中盤まで被インターセプトが多かったが、ここへ来てしっかり立ち直り、直近5試合でマホームズ、バロウ共に1インターセプトしか許していない。
     ◇
日本テレビ系スポーツ局ジータスと、インターネット中継の「NFLGO」では、AFC、NFCの両チャンピオンシップ2試合を完全ライブ中継する。ベンガルズ@チーフス戦は解説:森清之さん、実況:安村直樹さんで、放送は1月31日(月) 午前4時45分から。

ベンガルズのQBバロウ=photo by Getty Images=photo by Getty Images

【小座野容斉】

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