close

2022-03-06

「みんなが格闘技に走るので、私、プロレスを独占させてもらいます。」全日本のポスターが広告の専門雑誌にも掲載【週刊プロレス昔話】

スーツ姿ではまきをたしなむジャイアント馬場

 1989年、全日本プロレスの「みんなが格闘技に走るので、私、プロレスを独占させてもらいます。」というポスターが大きな反響を呼んだ。同広告は広告の専門雑誌「宣伝会議」4月号にも掲載。その中身を抜粋してみると…。

「新日本とUWFが格闘技路線に走るのなら、我々は、プロレスを独占させてもらいます、と。現実は少なくとも迷いが感じられる新日本よりは、プロレスに徹する全日本の方が面白いのは確かだし、UWFとはまったく違う意味での“ホンモノのプロレス”を見ることができるのも確かだろう。それは“マス”の観客を間違いなく楽しませるものを指す」

「とにかくみなさん来てください、理屈抜きで面白いですよ、という馬場会長の言葉は、今の全日本が明確に目指している方向を示す。そのため、団体としてのイメージをはっきりと提示する必要があったわけで、それが今回のポスター展開につながったと言える。ようやく企業としてニーズを作り出す作業を始めたのである」

「ファンサービスではなく企業努力、興行宣伝=商品広告ではなく企業広告とは、時代の要請とはいえ、全日本も変わった。馬場会長の企業家としての真骨頂がより発揮されるきっかけになるかもしれないイメージ新展開。今後も継続されるそうで、あのコピーにうなずくことのできる人を何人増やしていけるか、見ものである」

 この後、全日本は天龍源一郎らの大量退団を経て、超世代軍時代から四天王時代に突入。プロレスの“王道”を走り続けた。

PICK UP注目の記事

PICK UP注目の記事



RELATED関連する記事