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2022-02-27

【陸上】高校記録への登竜門となっているU20クロカン、石田、佐藤に続き吉岡大翔が2年生優勝

5000mの高1歴代、高2歴代最高を持つ吉岡大翔(佐久長聖高2年・長野)

日本選手権クロスカントリーが2月26日、福岡・国営海の中道海浜公園クロスカントリーコースで開催され、U20男子8kmは吉岡大翔(佐久長聖高2年・長野)が23分36秒で制し、U20女子6kmは水本佳菜(大阪薫英女学院高2年・大阪)が19分55秒で優勝した。

シニア男子10kmは東京五輪5000m代表の松枝博輝(富士通)が、シニア女子8kmは今夏のオレゴン世界選手権10000mの標準記録を突破している小林成美(名城大3年)が制した。

13分40秒の壁を続々と突破し、ハイレベルな高校シーン


「石田さん(洸介、東洋大1年)や佐藤さん(圭汰、洛南高3年・京都)に続き、2年生優勝できてうれしい」

5000mで高校歴代ワンツーの先輩と同じように、2年生でU20男子を制した吉岡は充実した表情だった。それもそのはず。U20クロカン制覇から高校記録樹立という流れが、2年連続で続いているのだ。

2020年は石田(当時・東農大二高)が2年生でU20男子を制覇。その年、石田は5000mで13分34秒74をマークし、当時の高校記録を16年ぶりに更新した。そして前回は佐藤が2年生優勝し、トラックシーズンでは1500m、3000m、5000mと3種目もの高校記録(最高含む)を樹立した。そうなれば当然、吉岡も「高校記録を出したい」と意欲的になるはずだ。

実際に5000mでは高1歴代最高(13分50秒27)、高2歴代最高(13分38秒96)と記録を残しており、吉岡のポテンシャルの高さは実証済みだ。佐藤が今季、樹立した高校記録(13分31秒19)まで7秒と迫り、「世界と戦える選手になりたい」と目線も高い。

高校男子は石田が5000mで高校記録を樹立して以降、同年は伊藤大志(佐久長聖高、現・早大1年)も13分36秒57をマーク。翌年は佐藤の新たな高校記録に加え、山口智規(学法石川高3年・福島)が13分35秒16、吉岡が13分38秒96をマークし、続々と13分40秒の壁を破ってきた。

その勢いは、今大会のシニア男子を制した松枝も「(高校記録保持者の佐藤を始め)高校生もレベルが上がっていて、すぐそこまで迫っている」と、レース後に若手の台頭を口にするほど。新シーズンも、高校生から目が離せない。


優勝の吉岡のほか、2位の南坂柚汰(倉敷高・岡山)、3位の長嶋幸宝(西脇工高・兵庫)も2年生。ハイレベルの戦いのなかで高校記録の期待がかかる

文/新甫條利子 写真/湯浅芳昭

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