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2022-03-16

【陸上】日本室内で高校生も好発進 U18・60mYHは林がV「七種競技の得点源として強化」

今季、ハイレベルな争いに注目が集まる女子ハードル。左から2位の谷中、4位の志水芹菜(市船橋高1年・千葉)、3位の宮崎、1位の林(写真/早浪章弘)

日本選手権室内と併催された2022日本室内大阪大会。大会新が12、大会タイが3と中高生がトラック&フィールドのシーズンインに向け、好発進を見せた。

注目の女子ハードルには多数の注目選手が出走。U18女子60mYHでは、1年生の林美希(中京大中京高・愛知)が優勝。宮﨑叶和(長崎日大高・長崎)が3位、2位には中学3年の谷中天架(八屋中・福岡)が入り、U20女子60mHでも2年生の山田裕未(市船橋高・千葉)と前田光希(立命館守山高・滋賀)が同着1位に入った。

徳島インターハイ女子100mHは激戦模様

3月12、13日に行われた2022日本室内大阪大会で、今夏の徳島インターハイを目指す高校生たちもシーズンの幕開けを迎えた。U16、U18の各種目で冬期練習の成果をチェックしたり、今期の目標・課題を確認したりする姿が見られた。

なかでも活況だったのは、U18女子60mYH(高さ0.762m/ハードル間8.50m)。予選と決勝を合わせ、従来の大会記録を更新する好タイムを3人が計5回マークした。

予選で8秒34の大会新を林美希(中京大中京高1年・愛知)と宮﨑叶和(長崎日大高1年・長崎)が競演。決勝ではこの2人に、昨夏の全日中覇者・谷中天架(八屋中3年・福岡)が挑んだ。接戦の後半、ぐいと前に出たのは、林だった。予選タイムをさらに短縮する8秒27。ライバル2人の一歩先を走った。

林は、冬季に上体中心の筋力づくりと一次加速の反復練習に力を入れて取り組んだという。「今日は冬季にやってきたことを出して、これからシーズンに向けて上げていくための走りをしようと思っていました」と言い、大会新Vを果たしてなお、「まだ課題を克服していません。1~2歩目はまだまだ練習を積まないと」と向上心が尽きない。

林の“本命種目”は七種競技。昨夏の福井インターハイでは1年生ながら4位入賞した。しかし、1位と3位が2年生、2位が1年生という上位の顔ぶれを見て、悔しさが入賞の喜びに勝った。

「今年は4位より絶対に上を」と決意する林が七種競技で高得点を稼げる種目が100mHだ。昨年のベストは13秒88。「今年中に13秒5台を出したい。混成ではハードルがある1日目にどれだけ稼げるかだと思っています」

昨年のインターハイでは1日目3022点でトップだった林。13秒85で1000点、林が目標にする13秒5台(13秒59)なら、1037点にもなる。5000点台に乗るために必要なばかりでなく、単独種目の100mHでも上位進出が可能な目標タイムだが、この日はその可能性も引き寄せた記録だった。

U18女子60mYHは、林が大会新となる8秒27で制した(写真/早浪章弘)
U18女子60mYHは、林が大会新となる8秒27で制した(写真/早浪章弘)

2位は谷中。3位・宮﨑と同タイムだったが、着差がついた。「スタートで出遅れましたが、追い上げることができました」と加速に手応えがあった様子。高校進学で練習環境が変わるものの、「インターハイで3位以内に入れるよう頑張りたいです」と大きな夢を描いている。3位の宮﨑は前々回大会のU16女子中学60mHで大会新Vを果たし、今回はU18で予選&決勝で従来の大会記録越えを2レースそろえた。

さらに、今大会U20女子60mH(高さ0.838m/ハードル間8.50m)を8秒47で同タイム1位となった山田裕未(市船橋高・千葉)と前田光希(立命館守山高・滋賀)は共に2年生。今季の高校100mHは例年になく予測不能になりそうだ。

文/中尾義理 写真/早浪章弘

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