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2022-03-29

前田日明が安生洋二戦で完勝「オレに勝とうとしたら、オレ以上に精神的レベルを高めないと」【週刊プロレス昔話】

ガムシャラに前田日明を攻め込む安生洋二

 1989年7月24日、新生UWF博多大会で前田日明が安生洋二との初シングルを制した。

 安生によっては念願だった“前髙山”前田&髙田延彦&山崎一夫との対戦。それも相手はナンバーワンの前田。同年6月14日の名古屋大会で船木優治を熱戦の末に破った勢いに乗って「今なら前田さんに勝つ自信がある」と語っていた。

 安生はゴングが鳴るやいなや、張り手をガムシャラに打っていく。これをガードされると蹴りに切り替えるが、遮二無二蹴れば蹴るほどにこれまたヒットしない。

 試合後の前田は「張り手にしても蹴りにしても一発一発はいいものを持ってるけど、慌てちゃうからバラバラで緻密な攻めがなかった」。安生は関節技に悲鳴を上げ、フロント・スープレックスは上から潰され、ファンからは「泣くな!」というヤジも飛ばされてしまう。

「オレに勝とうとしたら、オレ以上に精神的レベルを高めないと。オレだって今日の安生みたいに緊張してたら、高田や山ちゃんに絶対に勝てないよ。船木に勝ったという自信を持ってもらいたい」

 安生は「前田」というブランドに対する先入観があまりにも強すぎた。フィニッシュはハーフハッチ・スープレックスからの逆片エビ固め。力の差を痛感させられた敗戦だった。

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