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2022-06-09

【陸上】日本選手権/女子走幅跳は秦澄美鈴が2連覇。初の世界選手権出場に近づくも「なかなか良い一本が出ずに悔しい」

大会2連覇でワールドランキングのポイントを重ねた秦

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6月9日から開催中のオレゴン世界選手権選考会を兼ねる第106回日本選手権(大阪・ヤンマースタジアム長居)。初日の女子走幅跳では、秦澄美鈴(シバタ工業)が6m43(−2.5)を跳んで2連覇を果たした。世界選手権の参加標準記録6m82には届かなかったが、ワールドランキング(ポイント制)による代表入りが近づいた。

前日練習後には「かなりいい感じ。自分の中でも期待をしています」と語った秦。標準突破に向けて満を持して臨んだが、不運にも風に恵まれなかった。強さも向きも安定しないなかで「自分の思う通りの跳躍をさせてもらえなかった」と苦戦を強いられた。

「プランとしては一本目に確実に記録を残して、2本目以降は記録に挑戦したかった」と秦。1回目は6m27(+1.5)で「守りに入ってしまった」と言う。2回目は6m36(−0.9)、3回目に優勝記録の6m43を跳んだが、後半試技は向かい風が続き、記録を伸ばせず。

「後半でもっと記録を伸ばしたかったのですが、自分の動きを風の動きに合わせることができずに終わってしまいました」と振り返る。

今季は3月の日本選手権室内で室内日本記録(6m57)に迫る6m52をマークして好発進すると、4月から5月にかけては、兵庫リレーカーニバルで6m60、連戦疲れを考慮して2本に絞った木南記念で6m43、セイコーゴールデングランプリでは6m63と各大会を制し、常にアベレージの高い跳躍を重ねてきた。標準記録突破に弾みをつけていただけに「なかなか良い一本が出なくてちょっと情けないというか、悔しい気持ちでいっぱいです」と語る。

内容には納得いっていなくとも安定した力を発揮した秦
内容には納得いっていなくとも安定した力を発揮した秦

標準突破は叶わず今大会での内定は逃したが、世界陸連のワールドランキング(1国上位3名対象)で出場圏内にランクインしているため(19位/出場最大数32名、6月7日時点)、オレゴンの舞台へと進める可能性は高まっている。「あとは祈るだけですが、出られるものとしてしっかり記録を残しにいくのを前提で考えています」と秦。その視線はすでに世界を見据えている。

初の世界選手権出場となれば決勝進出が目標という。

「世界大会は初めてなので未知数のところがありますが、チャレンジャーとして挑みたい。世界のすごい選手に胸を借りて、思いっきりぶつかっていくような世界選手権にしたいです」

あとは吉報を待つだけだ。

文/荘司結有 写真/中野英聡

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