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2022-06-10

【陸上】男子400mで佐藤風雅が日本選手権初制覇! 今季は45秒台安定でオレゴンに大きく近付く

佐藤風雅(那須環境)

6月9日から開催中のオレゴン世界選手権選考会を兼ねる第106回日本選手権(大阪・ヤンマースタジアム長居)。2日目の男子400m決勝では、佐藤風雅(那須環境)が45秒49で初優勝を果たした。世界選手権の参加標準記録(44秒90)はクリアできなかったが、ワールドランキング(ポイント制)による代表入りの可能性が見えてきた。

世界に向けての課題は前半

予選を45秒55で走り、トップで決勝に進んだ佐藤。当初のレースプランでは前半から積極的に攻めるつもりだったが「思ったより乗らなかったので、後半のカーブからしっかり切り替える意識に変えた」という。第3コーナーから徐々に加速し、両腕を突き上げてフィニッシュ。「(日本選手権優勝のポイントによって)ワールドランキングで世界選手権に出られる可能性が出てきたのでうれしい」と喜びを露わにした。

今季は好調ぶりが際立っている。4月末の木南記念では予選で45秒68をマークすると、決勝は45秒84で制した。5月のセイコーゴールデングランプリは日本人トップの2位でフィニッシュし、日本歴代8位にあたる45秒80をマーク。どのレースも外すことなく、安定して45秒台を重ねてきた。

昨年の日本選手権は5位。冬期にヒザ裏を痛めた影響があり「うまくスピードが上げられなかった」と振り返る。今季はケガなくシーズンイン。「冬期からしっかりスピードを上げていけたので、高いスピードを維持したまま試合に臨むことができている」と好調の理由を語る。

今大会で44秒台も狙っていたが、決勝では「勝ちたい気持ちが強かった」と勝負にこだわった。「(44秒台は)簡単な世界ではないなと感じた。決勝で前半がいけなかったように思い描くレースができないのが課題」と言う。

世界選手権の出場権を獲得済みの男子4×400mRメンバー入りも濃厚。あとはオレゴン行きの”切符”が届くのを待つばかりだ。世界選手権に向けては、「もう一段階ギアを上げたい。海外の選手に置いていかれないように前半から積極的なレースを展開したい」とさらなる高みを目指していく。

作新学院大卒の26歳。昨年は全日本実業団400mで優勝
作新学院大卒の26歳。全日本実業団選手権で2連覇の実力者が日本選手権でついに戴冠

文/荘司結有 写真/毛受亮介

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