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2022-07-27

【世界陸上】男子4×400mリレーメンバーが振り返るアジア新&4位と今後への確かな手応え「力を付けて、またみんなが力を合わせばメダルが取れます」(ウォルシュ)

アジア新で4位入賞を果たしたメンバーたち(左からウォルシュ、川端、佐藤、中島) 写真/三尾 圭

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 3走・ウォルシュが43秒台の激走

迎えた翌日の決勝も日本は同じメンバー、同じ走順で「予選の勢いのままメダルを目指す」(佐藤)と臨んだ。だが予選で理想の流れをつくった1、2走が、同じ走りをさせてもらえなかった。

1走からアメリカが大きくリードし、佐藤は予選よりも少しタイムを落として45秒73の5位。2位のベルギーとは0.29秒差にとどめたが、「1走が少し後方だと把握できたので、100mまで積極的に行きました」と川端。しかしオープンレーンになったところで7番目に後退していた。

「世界の2走の前半はこんなに行くのか」

なかなか前を抜くことができず、300mも同じ順位で通過。バトンパス直前にボツワナを抜いて6位に上がったが、2位争いをするトリニダード・トバゴとジャマイカからは1.1~1.2秒、距離にすると10mちょっとの差があった。

「スピード感が高い中で進んで、良いポジションで走ることができませんでした。課題が残りました」

しかし3走のウォルシュがバックストレートで5位に上がると、3~4コーナーのカーブで3位争いをするジャマイカ、トリニダード・トバゴ、ベルギーに迫る。ホームストレートでトリニダード・トバゴを抜き、2位のジャマイカに0.23秒差、3位のベルギーに0.18秒差まで追い上げて4走にバトンを渡した。

「前半をいつもよりストライドを意識して走った結果、250mくらいでピッチの走りに切り替えた後も最後までもちました。今まで少しピッチの走りになってしまっていて、持ち味のストライドを殺してしまっていた。予選でジャマイカの選手の後ろについて走ったときにストライドで行ったらすごく軽く走れて、それを決勝でもやってみたら良く走ることができました」

ウォルシュの個人タイムは43秒91。1991年東京大会2走で高野進が走った44秒0を上回る日本人最速スプリットで、3走のなかではアメリカのB・デッドモンに次いで2番目、2~4走全選手の中でも4番目のタイムだった。

4走の中島はジャマイカとベルギーを落ち着いて追い、得意の後半勝負に行こうとしたが、前を行く2チームとの差は縮まらない。3~4コーナーでは5、6位のトリニダード・トバゴとボツワナに迫られていた。だが中島は後半の強さを発揮して、ホームストレートで後ろの2チームを引き離して4位でフィニッシュした。

中島の個人タイムは44秒68。4走の中では7番目だったが、自身の特徴を発揮した走りで4位のポジションをキープした。

「予選と同じようにジュリさんで一気に前に行って、僕でキープする。メダルを取ったアメリカ、ジャマイカ、ベルギーはメダルの常連国ですが、日本は取ったことがない。日本もすごいな、というスタジアムの雰囲気が伝わってきました」

★決勝の個人記録と通過記録(カッコ内は順位)
佐藤 45.73(5)   45.73(5)
川端 45.19(8) 1:30.92(6)
ウォルシュ 43.91(2) 2:14.83(4)
中島 44.68(7) 2:59.51(4)

決勝では3走・ウォルシュが43秒台の激走を見せた 写真/三尾 圭
決勝では3走・ウォルシュが43秒台の激走を見せた 写真/三尾 圭

文/寺田辰朗

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