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2022-09-25

【ボクシング】ジョイスがWBO暫定王座獲得。タフなパーカーを11回KOし、ウシク挑戦を熱望

ジョイスの強烈な右がヒット

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24日(日本時間25日)、イギリス・マンチェスターのAOアリーナで行われたWBO世界ヘビー級暫定王座決定戦12回戦は、1位ジョー・ジョイス(37歳=イギリス)が2位のジョセフ・パーカー(30歳=ニュージーランド)を11回1分3秒KOで破り、暫定王座に就いた。

写真_ゲッティイメージズ
Photos by GettyImages

 身長で5cm(ジョイス198cm)上回り、体格でも圧倒している(前日計量でジョイスは約123kg、パーカーは約116kg)ジョイスが、最終的にはパワーでねじ伏せた。

パーカーも必死に反撃したのだが……
パーカーも必死に反撃したのだが……

 過去最重量でリングに上がった元WBO王者パーカーは、立ち上がりから左を多用。ジャブやフックのトリプルを放っては動き、パーカーを撹乱しにかかった。
 しかし、まるで重戦車のようにのしのしとプレッシャーをかけていくジョイスは、ジャブや右のオーバーハンド一撃を決めると、それだけで相殺以上の効果を発揮。圧力に押されたパーカーは、より派手にトリッキーな攻撃も交えながら、忙しく動く形となった。
 ジョイスの圧力を受け続けたことも影響したのだろう。パーカーの動きは序盤にして、めっきりと落ちていった。5回には鼻血を出し、9回には右目上をカットさせられ、苦しいラウンドが続く。パーカーの動きとは反比例して、ジョイスはボディ攻撃も入れ始め、さらにパーカーを追い込んでいった。

体重差も歴然。左だけでダメージを与えるジョイス
体重差も歴然。左だけでダメージを与えるジョイス

粘りに粘ったパーカーも、11回に力尽きた
粘りに粘ったパーカーも、11回に力尽きた

 再三再四、ロープを背にさせられながらも必死に動き、反撃するパーカーだったが11回、ジョイスの左フックがパーカーの右頭部を叩くとついにダウン。辛くも立ち上がったものの、レフェリーはテンカウントを数え上げた。

イスマエル・サラス・トレーナー(右隣り)らチームで勝利を喜ぶ
イスマエル・サラス・トレーナー(右隣り)らチームで勝利を喜ぶ

「タフなファイトだった。パーカーを賞賛したい。自分の持っているものすべてを彼にぶつけたが、彼はまだ前に出てきた。最後に何とか彼を倒すことができたが、本当に大変だった」と試合を振り返ったジョイスは、「ウシクよ、俺と戦おう」と、WBO正規王者で、WBAスーパー、IBF王座も合わせて3団体統一王者オレクサンダー・ウシク(ウクライナ)へ対戦を要求した。

会場のファンにアピールするフューリー。どんなことを思い、試合を見つめたか
会場のファンにアピールするフューリー。どんなことを思い、試合を見つめたか

 引退をほのめかすものの、依然としてWBC王座に君臨。この日、会場を訪れていたタイソン・フューリー(イギリス)、WBAレギュラー王者で、2020年11月にジョイスと地域タイトルを争ってTKO負けしているダニエル・デュボア(イギリス)。彼らも含め、ヘビー級トップ争いが激しくなっている。
 ジョイスの戦績は15勝(14KO)無敗。パーカーの戦績は30勝(21KO)3敗。

女子世界フェザー級3団体統一戦はアマンダ・セラノがマーフッドを下す

セラノの迫力ある右

セラノの迫力ある右

 WBC&WBO王者アマンダ・セラノ(33歳=プエルトリコ)対IBF王者サラ・マーフッド(32歳=デンマーク)による女子世界フェザー級3団体統一戦10回戦は、セラノが99対92、97対93、97対93の3-0判定勝利。IBF王座も吸収した。

 スーパーフライ級からスーパーライト級までの7階級を制している、まさにスーパーガールのセラノは今年4月、ワールドワイドなスーパースター、ケイティ・テイラー(イギリス)の持つ世界4団体ライト級王座に挑み、「女子史上最高試合」と賞賛される大熱戦の末に2-1判定で敗れ、保持するフェザー級に舞い戻ってきた。

 強烈なボディブローを見舞ってスタートしたサウスポーのセラノは、左ストレートを主体にマーフッドにプレッシャーをかけていく。これを受けたIBF王者は、フットワークを使って回避を狙い、左ジャブでセラノを止めにかかるのだが、それがなかなかかなわない。攻撃力を強めるセラノと頭がぶつかって裂傷を負うハンディもあった。

IBF王者も右を返したが、セラノは止まらなかった
IBF王者も右を返したが、セラノは止まらなかった

 だが、マーフッドは粘り強くセラーノの飛び込みざまにコンビネーションを繰り出した。その効果はあまり得られなかったが、セラーノの攻撃を一時寸断することには成功した。しかし、圧倒的な攻撃力を持つセラーノは、ポイントを順調にピックアップしていった。

4団体王者、そしてテイラーとの再戦を目指すセラノ
4団体王者、そしてテイラーとの再戦を目指すセラノ

 WBO王座V3、WBC王座V2に加え、IBF王座も獲得したセラノは、「私はパズルの最後のピースがほしい」と、エリカ・クルスが持つWBAのベルトに狙いを定めている。そして「その後は、ケイティとの再戦に向かいたい。レガシー同士の戦い、これ以上の対戦は他にないでしょう?」と、あの熱狂をもう1度提供する考えを明らかにした。
 セラノの戦績は43勝(30KO)2敗1分。これが初黒星となったマーフッドの戦績は12戦11勝(3KO)1敗。

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