【アメフト】雨中の爆走277ヤード　早大が法大を破り、3年ぶり7回目の関東制覇

関東大学アメリカンフットボールの1部TOP8は、11月23日に横浜スタジアムで二次リーグ第3節が行われ、ここまで6戦全勝の早稲田大学ビッグベアーズと法政大学オレンジが対戦した。早大が、降り続く雨の中、ランオフェンスで勝って、3年ぶり7度目の関東制覇を果たした。
　早大は全日本大学選手権の準決勝(12月4日、長良川球技メドウ)に進出、東北大学と対戦する。勝てば、決勝の毎日甲子園ボウル出場が決まる。（写真はすべて小座野容斉撮影）

早稲田大学ビッグベアーズ○30-18●法政大学オレンジ
(2022年11月23日、横浜スタジアム)

 第1Q、法大が2度のターンオーバーを起こしたが、得点を許さずに両校共に無得点。そして第2Qに試合が動いた。早大はRB花宮圭一郎が、力強いランを連発し先制のタッチダウン（TD)を決めた。
 法大もランで対抗、アクシデントでエースRB星野凌太朗が出場できなくなったが、RB宮下知也、岩田翔太郎のランでゴールに迫ると、岩田のTDランで6点(キックは失敗)を返した。
 さらに、次のキックオフで早大のリターナーがファンブルしたボールをリカバー。絶好のポジションを得ると、岩田がこの試合2本目のTDランで、法大が12-7と逆転して折り返した。
 後半は、早大ペース。第3Q、RB花宮の29ヤードのランで、レッドゾーンに侵入すると、QB國元孝凱が、WR佐久間優毅にTDパスを決めて、早大が逆転した。
さらに第4Q1分には、K曽木聡が、42ヤードのフィールドゴール（FG)を決めて、16-12と4点をリードした。
 後半に入って、オフェンスが抑え込まれていた法大は、第4Qに自陣内で早大QB國元のパスをインターセプト。しかし、そのオフェンスでボールを進められず、自陣内での4thダウンでギャンブル失敗してしまう。
 このチャンスに、早大はRB萩原奎樹が25ヤードを走ってランTD、法大を突き放した。早大は、第4Q10分にも、RB安村充生のランでTD。リードを広げると、法大の反撃を1TDに抑えて勝ち切った。

 
誰がランナーでもゲイン　支えた早大の強力OL陣

 雨中の激戦を早大が制した。
 前半は互角の展開ながら、法大のミスに付け込めずに5点を追う展開だった。だが、後半に入ると、持ち味のインサイドのランが、止まらなくなった。
 早大のオフェンス陣には、図抜けた力を持ったポイントゲッターはいない。
 だが、現在のエース花宮に、萩原、安村と安定した力を持ったRBトリオが、ローテーションしながらフレッシュな状態で登場。さらに、パントリターナーも兼任するほどの走力があるQB石原勇志も鋭いランを見せた。
 花宮の102ヤードを筆頭にRBとQBの4人がラン45ヤード以上を記録。ニーダウンなどを除いたチームランは277ヤードに達し、そのうち176ヤードを後半に稼いだ。
 誰がランナーでもゲインさせる、早大の強さを支えたのが、「パワーハウス早稲田」のOL陣だ。リーダーの亀井理陽主将に率いられ、力強く粘り強いランブロックが、法大のディフェンス陣を切り裂いた。
　亀井主将が、リーグ戦の最優秀選手に選ばれたのは、個人の力というよりは、今季のスローガン通り、「一丸」となって戦ったOL陣の代表としての授賞と言ってよかった。

 就任以来、3回目の関東制覇を果たした髙岡勝監督は、記者会見で「3度目の正直を」と口にした。「突出したタレントの選手がいない」中での優勝は、逆にチーム力の充実を感じているのかもしれない。
　まずは次戦の相手、東北大を破り、3年ぶりの甲子園を目指す。その先には、「関西勢を倒しての大学日本一」という悲願がある。