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2022-12-30

「NOAHは四天王、丸藤正道&KENTA以降、時代ができてない」拳王連載を特別公開【週刊プロレス】

清宮海斗を絞め落とした拳王

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NOAH1・1日本武道館大会が迫ってきた。グレート・ムタvs中邑真輔の“初夢”、丸藤正道&KENTAが杉浦貴&小島聡のGHCタッグ王座に挑戦と話題満載の元日決戦だが、NOAH最高峰王座のGHCヘビー級選手権は王者・清宮海斗、挑戦者・拳王で争われる。

過去の戦績は2017年以降10度対戦して拳王の7勝3敗。両者のライバル関係がNOAH上昇気流の原動力となってきたと言ってもいい。

現在、拳王はプロレス専門週刊誌「週刊プロレス」で「拳王のクソヤローども、オレについて来い!!」という毎週連載を持っており、歯に衣着せぬ鋭い舌鋒で読者を楽しませ、時に業界全土を敵に回すこともある。NOAH1・1日本武道館が迫ってきたということで、2023/1/4号(No.2221/12月21日発売)掲載回を特別公開。

タイミングとしてはNOAH1・1日本武道館のカードがムタvs中邑、GHCタッグ選手権、GHCヘビー級選手権の3カードのみ発表されていた段階。全試合&試合順の発表前。

拳王 いよいよ迫ってきたな。

――1・1日本武道館ですね。

拳王 今週は1・1日本武道館について語りたいことがある。

――よろしくお願いします。

拳王 ひとまずグレート・ムタvs中邑真輔についてはいろいろ思うところはあるけど、今回は、GHCタッグ選手権の挑戦者が丸藤くん&KENTAに決まり、同じ日にオレが清宮のGHCヘビー級王座に挑戦する。このあたりを合わせて考察するぞ。

――それは非常に興味深いですね。

拳王 NOAHは全日本プロレスから大量離脱してできた団体だ。旗揚げ当初は三沢光晴さん、田上明さん、小橋建太さん…四天王の3人が中心で、そこに秋山準が食い込んでいった。じゃあ、質問だ。四天王後に時代をつかんだのは誰だ?

――秋山選手です。

拳王 秋山準は四天王時代に分類されるよな。自らの新時代はつかみ損ねたと思う。なぜだかわかるか?

――新時代と言えば、新日本・永田裕志選手とのライバル関係で業界を盛り上げて…。

拳王 そうかもしれない。でも、秋山準はNOAHの中で敵対するライバルが四天王以外にいなかったように見えたけどな。

――秋山選手の同世代と言えば、大森隆男選手や高山善廣選手ですかね。


拳王 そのあたりとNOAHでどんな闘いを残したのか言ってみろ。

――大森選手は退団後にWJに移籍、高山選手はPRIDEや新日本に進出したので…。

拳王 秋山は同世代のライバルとNOAHでライバルストーリーを築くことができなかった。四天王後、NOAHにはあのお方(森嶋氏猛)&力皇さんというスーパーヘビー級期待の新鋭もいたが、あらためて誰が時代をつかんだのか言ってみろよ。

――丸藤選手とKENTA選手ですね!

拳王 その通りだ。全日本からの“遺産”とも言える四天王ブランド後は、丸KENブランドだ。秋山のライバルがいない、ヘビー級の新世代が伸び悩む中、丸藤くんとKENTAは自分たちの闘いでブランドを確立させていった。しかも、ジュニアの体格で、だ。あの2人が階級を超えた闘いを見せたことによってプロレス界の常識をすべて覆した。常人離れした身体能力があれば、100kg超えたヘビーの肉体がなくてもトップを取れる。そう証明させた先駆者かもしれないな。

――2人の闘いは物語もあり、どの試合も素晴らしかったです。

拳王 めちゃくちゃ面白かったな。もう過去の時代だけどな。だが、100kgなくてもトップを取れる、現在では当たり前だが、それを証明させたのが丸KENブランドと言っていいだろう。じゃあ、その後のNOAHはどうなった?

――潮崎豪選手、杉浦貴選手が…。

拳王 四天王、丸KENときて、それから時代ができてないと思うんだよな。しかも、潮崎の退団&全日本移籍でライバル関係を浸透させる前に闘い自体なくなっちゃったしな。

――痛いところを突きますね。

拳王 当たり前だ。そこからNOAHは冬の時代。潮崎がいなくなり、KENTAがWWEに行って、あのお方も蒸発した。

――蒸発でなく、森嶋選手は引退です。

拳王 (無視して)プロレスは闘えば闘うほど攻防が洗練されてスリリングになる。同じ団体で長期間ライバル関係を築くことができれば、自ずとすごい試合が生まれ、ブランドへとなっていく。藤波辰爾vs長州力、ジャンボ鶴田vs天龍源一郎、四天王、闘魂三銃士、棚橋弘至vs中邑真輔…プロレス史を見てもわかるだろ。みちのく時代のオレとフジタ“Jr”ハヤトもそうかもな。最近なら高橋ヒロムvsエル・デスペラード。日本人はライバルストーリーが大好物だからな。全プロレスラーに言ってやるぞ。ライバルをつくれ、そして勝て! ネバー・ギブアップ青春だ。

――藤波選手の著書ですね。

拳王 しかし、NOAHは丸KEN以降、ネバー・ギブアップ青春ができなかったんだ。

――徐々に話が見えてきました。

拳王 オレと清宮は鈴木軍が撤退した焼野原のようなヘビー級で、2017年6・25郡山の第1試合からライバル関係を築いていった。時に隣に立つこともあったな。5年以上激闘を繰り広げて、日本武道館のメインでGHCヘビー級選手権を争うまでのカードになった。清宮の言葉を借りれば、オレたちは「新しい景色」を見せ続けてきたんだ。

――まさに清宮海斗&拳王ブランド…略して海王ブランドですね!

拳王 バカヤロー! 違う!!

――えっ…。

拳王 拳王ブランドだ。そろそろ清宮とのライバル関係は終わり。1・1日本武道館で明確な差を見せつけた上でGHCヘビー級ベルトを取ってやる。前も言ったけど、もしものことがあったら、もう二度とベルト挑戦なんて言えなくなってもいい。NOAHに拳王ブランドを築くために、2023年はオレがプロレス界の頂点に立ってやるかな!

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