８月２日から６日まで、北海道を舞台に繰り広げられるインターハイの出場権を懸けた最終決戦がスタート。都府県大会を勝ち抜いた選手たちが、ブロック大会に挑む。16日から開幕する５地区から東海ブロック大会の注目選手を紹介する。
高校歴代10傑入りの好記録にも期待 まず女子では、昨夏の徳島インターハイで100ｍＨと七種競技の二冠を獲得した林美希（中京大中京高３年・愛知）に注目。２年時には100ｍＨで高校歴代６位タイの13秒46、七種競技で同歴代10位の5231点をマークしている。５月の県大会ではこの２種目に加えて走高跳も制し、三冠を手にした。６月４～７日に韓国で行われたU20アジア選手権では、100ｍＨで金メダル、七種で銀メダル。帰国後すぐ、10～11日にはU20日本選手権混成の七種で２連覇を果たした。中４日で東海大会を迎える過密日程だが、持ち前の勝負強さを発揮するはずだ。
100ｍＨでは林のチームメイトの片山心菜（３年）が、６月１～４日に行われたU20日本選手権の予選で13秒57（＋0.1）と自己記録を更新。決勝は向かい風1.4ｍのなか、13秒58で初タイトルを獲得した。「林と一緒に走って勝ったことがないので、勝ちきってタイムを狙いたい」と話し、好勝負が期待される。片山は400ｍＨとの二冠を狙う。
やり投で昨秋の国体を高校歴代４位の57ｍ17で制した櫻井希美（済美高３年・岐阜）は、４月に54ｍ18をマーク、U20アジア選手権で金メダルを取っている。
短距離の小針陽葉（富士市立高２年・静岡）にも注目したい。100ｍは昨秋のＵ18大会を11秒65で制覇、200ｍでは５月の静岡国際で高校歴代３位の23秒52（＋0.3）と快走した。「東海は通過点と思いつつ、タイムも狙っていきたい」と話し、条件次第では好記録が望める。小針は昨年６ｍ19を跳んでいる走幅跳でも、優勝を狙う。徳島インターハイ女王の松村琴都（瑞陵高３年・愛知）ら、６ｍジャンパー４人がそろい、熱戦が予想される。
1500ｍと3000ｍには、昨夏のＵ20世界選手権1500ｍで６位の澤田結弥（浜松市立高３年・静岡）が出場。「自分はどんなレースでも思い切って走れるのが強み」と、両種目とも積極的な走りが見られるだろう。
ハンマー投は６月12日現在の全国ランキングトップ10のうち、５人を東海勢が占めており、４枠のインターハイ出場権をめぐる戦いはし烈だ。Ｕ20日本選手権で自己新の54ｍ22を投げて２位の藤田唯愛（松坂商高３年・三重）は、「東海で55ｍを投げたい」とさらなる記録更新を見据える。
短距離の小針（左から２番目）と松村（左）は走幅跳でぶつかる。1500ｍ、3000ｍの澤田（右から２番目）は積極的な走りに期待。藤田はハイレベルな争いを勝ち抜き、全国への出場権を獲得できるか（写真／毛受亮介）男子では、1500ｍ３分47秒60、3000ｍＳＣで高校歴代10位の８分49秒32を持つ辻本桜寿（浜松開誠館高３年・静岡）がどんな走りを見せるか。「東海では独走になっても３分50秒切り、８分49秒切りを」と記録を重視する。Ｕ20日本選手権400ｍＨで３位の下田隼人（豊川高３年・愛知）は、同日に４×100ｍＲもある厳しいスケジュールだが、「いつものプランを崩さずに、インターハイにつなげたい」と話す。
短距離は激戦になりそうだ。100ｍは10秒53（±0.0）で静岡県大会を制した森川皓喜（浜名高３年）ら、今季10秒５台が７人。200ｍでは、６月10日の名古屋地区夏季大会で浅井央真（瑞陵高２年）が高２歴代８位の20秒97（－1.1）、静岡県大会で成川倭士（東海大翔洋高２年）が同歴代11位タイの21秒03（－0.2）と好走。U20日本選手権３位の向井悠汰（中京大中京高３年）はヒザの故障でピークを遅らせてきたが、「東海ではインターハイにつながる記録で二冠を」と意気込む。このほか、円盤投や110ｍＨも全国トップレベルの選手がそろっている。
左から辻本、森川、成川、向井、下田。激戦の短距離、全国トップレベルの3000ｍSC、400ｍHからも目が離せない（写真／毛受亮介、田中慎一郎、中野英聡）
