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2023-07-15

【相撲編集部が選ぶ名古屋場所7日目の一番】いよいよ「本命」が浮上? 豊昇龍が元大関を投げ捨て、錦木らとトップに並ぶ

朝乃山を投げ捨てて1敗キープ、優勝争いの先頭に並んだ豊昇龍。後半戦に初優勝と大関昇進がかかる

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豊昇龍(上手投げ)朝乃山

元大関を豪快に投げ飛ばし、気合の入った表情を見せた。優勝争いの「本命」が、いよいよトップに浮上だ。
 
きのうまでただ一人全勝で走っていた錦木が琴ノ若にモロ差しを許し、寄り切りで敗れて土がついた7日目。結び前で東関脇の豊昇龍が朝乃山を力強く上手投げで退け、1敗をキープ。錦木、玉鷲、北勝富士とともに優勝争いの先頭に並んだ。
 
この日の相手の朝乃山との対戦は過去一度。2年前の5月場所に右四つから内掛けで豊昇龍が勝っているが、そのときは朝乃山が大関、豊昇龍は前頭5枚目だった。今はほぼ立場が逆転、大関取りを狙う豊昇龍が、ようやく上位陣総当たりの地位に帰ってきた朝乃山の挑戦を受けるという形になった。
 
立場は受ける立場に変わった豊昇龍だが、この日の取組では受けることなく、先に先にと攻めた。立ち合い低く当たってサッと左上手。すぐに左に回っての出し投げを狙ったが、廻しが切れて一瞬相手を呼び込む危ない形に。それでも慌てず、相手得意の右四つを避け、左四つ右上手に組み止めた。土俵中央に寄り返すと、左からの上手投げ。残した朝乃山が右を巻き替えながら一気に出てくるが、少し腰に乗せるようにして右上手から投げ捨てた。

「絶対に左(朝乃山の右)を差されたくないと思って左前ミツを取りに行きました」と豊昇龍。相手に主導権を渡すことなく、“大関取りの関脇”と、“復活途上の元大関”の、現時点での力の差を見せつけた。
 
優勝争いに、いよいよ「本命」の登場だ。番付では今場所の出場力士で上にいるのは新大関の霧島のみ。その霧島が今場所、途中出場でここまで2勝3敗2休という状態であれば、実質的な「実力ナンバーワン」と考えて差し支えないだろう。もちろん後半戦では力の差の少ない三役陣との対戦が待つが、不利が予想されるほどの相手はいない。あとは、(この日見られた先に攻める姿勢と紙一重ではあるが)多少強引に勝負をつけにいくきらいがあるので、そこを突かれる危険性はある、というところと、優勝争いに残っていけば、同時にそこには大関取りへのプレッシャーもかかってくるので、そこをどう乗り越えるか、というあたりか。「一日一番、集中していきたいと思います」と、あす以降へも気合が入る。
 
一方、この日ついにストップした錦木は、この日で三役との対戦が終了。あすからは平幕同士の戦いに入るが、あす8日目は過去3連敗している翔猿との対戦。このうるさい相手に、これまでと同じガツッとした立ち合いができるか。後半戦を占ううえで大事な一番となりそうだ。
 
優勝を争う顔ぶれでは、錦木以外では、経験値で豊昇龍より上を行く大栄翔、玉鷲(この日で何と4日連続寄り切りでの勝利)が面白い存在になる可能性も。また、大栄翔や若元春がこのあと星を重ねていき、大関取りの3関脇による優勝争いが展開されるようなら、終盤戦の盛り上がりはかなりのものになるはず。あすで場所も折り返し。後半戦も手に汗握る土俵を期待したい。

文=藤本泰祐

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